ケーブルガードバー

ケーブルガード・バーと言えば今やストレートのカーボン・バーが一般的ですが、数年前まではステンレス製のクランク型のバーもありました。
カーボンのケーブルガード・バーが主流になったのは軽量化のためですが、パフォーマンスを考えるとクランク型の方が良いと私は思っていました。
コンパウンドボウはドローイングすると(上から見ると)右向きに回転します(右射ちのアーチャーの場合)。ケーブルガード・バーがケーブルを引っ張るテンションが小さければ、この右方向のトルクも小さくなると考えられます。
そこで現在使用しているアルファエリートにプロエリートで使用していたクランク型のケーブルガード・バーをセットし、50mでストレートにした場合とバーを内側に入れてベインのクリアランスがとれるギリギリにセットした場合で射ち比べてみました。
ノーマル.gif
ストレートの状態(ベインとケーブルの間が離れているのが分かりますか?)
オフセット.gif
バーを内側に入れた状態(ベインとケーブルの隙間はほんのわずかです。)
point of impact.jpg
左がストレートのグループ               右がバーを内側に入れた状態のグルーピング
50mで8㎝くらい左右が変わっています。バーを内側に入れた時はその分だけ弓に生じるトルクが小さくなっているということがわかります。
あ、バーを内側に入れた時のグルーピングが小さいのは、たまたまだと思います;-)

でも多くのトップ選手がストレートのケーブルガード・バーを使用しています。クランク型を使っているのはジェシー・ブロードウォーター選手(今シーズンは世界記録を射ったり、全米選手権で優勝したりと大活躍ですね)くらいでしょうか。
トルクが一定であればグルーピングは変わらないので気にしない、ということなのでしょう。

トルクが小さい方がサイトやレストのセンターショットは弓のセンターに近づくので、弓へのストレスは少なくなると考えられます。
そのことが競技のパフォーマンスにどうプラスになるか、というともっと射ち込んでみないとわからないのですが、おそらくマッチ戦の1点差で勝敗が決するような場面でアドバンテージになるのではないかと期待しています。

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