完全に狂ってしまったシューター島田は、監督から1ヶ月のアーチェリーから離れるよう指導を受けます。そして、2008年夏、今後を大きく変える転機を迎えます。
トリガーレスリリーサーと出会うのです。
トリガーレスリリーサーを使い始めたシューター島田は、ユニバーシアード出場を果たし、2010年にはターゲットパニックの元凶となった全日本室内を制覇します。
しかし、そんなシューター島田に新たな試練が待ち受けているのです。
それは、練習不足との闘いでした。
練習不足による負の連鎖は想像をはるかに超えていました。
まず、癖になってしまったのはトリガーレスのパンチショットです。
これは、スコープのドットが真ん中についた瞬間にトリガーレスを「くるん」と回転させて発射させてしまう方法です。
なぜ、こんなことが癖になってしまったかというと、真ん中を狙えなくなってしまったからです。それは、長い時間エイミングできる体力がなくなってしまったことを意味します。
卵が先か、鶏が先か、体重が重いから膝が痛いのか、膝が痛くなったから太ってしまったか、のように、どちらともない始まりです。
体力がなくなったから、ドットがついた瞬間にパンチして射ってしまおうとなったのか、
早く射つパンチショットを覚えてしまったから体力がなくなってしまったのか、それはどちらともなく私の身に起こっていたのでしょう。
そうなると、エイミング中、ドットは地面に向かってまっしぐらです。
的の真中から地面に奇麗にまっすぐ落ちていきます。
そうなると、もう早く射つしかありません。
どんどん泥沼に入り込んでいきます。
2012年、ワールドカップファイナル選考会も見るも無残な成績で終わり、全日本実業団ではトーナメントで遂にMを射ってしまいます。
2012年夏、オリンピックで日本選手がメダル獲得で盛り上がる中、
シューター島田はここで、コンパウンドを一回諦めます。
≪次回へ続く≫
~次回、そんなシューター島田のTPが治ります。その方法はいかに?!~