2021

02

26 Fri ~レジェンド、デイブ・カズンズ選手のQ&A その4

こんにちは、世田谷店の種部です。
今回はショットエクスキューションがテーマです。ショットエクスキューションとは、エイミング中リリーサーを作動させるために何らかの動きやテンションをかけるわけですが、そのプロセスのことですね。その射の成否を分ける重要なステップですが、サイトの動きや試合のプレッシャーの影響で、最もストレスが大きい時間帯でもあります。デイブ・カズンズ選手は、どいう対処しているのでしょうか。

Q:ショットエクスキューションの際に重視していることは何ですか?伸び合ってリリーサーを切る際に何に意識を集中させていますか?
デイブ・カズンズ選手(以下Dと表記します):それを説明するには、まず私の射のルーティンを始めから通して話しておいた方が理解しやすいと思います。( 実際に弓を引き起こす前に)まず第一にやることは、自分が達成したいと思っている目標をヴィジュアライズする(視覚化してイメージする)ことです。それはもちろん、私の矢がXリングの真ん中に刺さることですね。
 そして次に、その射を達成する時のサイトピクチャーをイメージします。テンションをかけていくのでサイトが動いていても、10点のリング内で動いている限り気にしません。的のどこか一点にピタッと止めている必要はないのです。サイトが動いていても、的の中心に向かって戻ってくる限りテンションをかけ続けて行きます。
 次に意識するのはドローイングの際の引手側の肩のブロックが正しく回転することです。引手側の肩甲骨が大きく回って(押手側の肩甲骨に向かって)寄ることによって、引手側の力が蓄えられます。子の肩甲骨の動きによって、肩甲骨の下にある筋肉が使われるのです。押手側の肩甲骨に向かって、引手側の肩甲骨がドローイングとともに大きく回って下がりながら寄って行き、テンションがローディングされます。

 次に、引手がアンカーポイントに到達し、スコープとピープを同心円に見た時点で、リリーサーにエンゲージし始めます。リリーサーがヒンジタイプでも親指トリガータイプでも、リストタイプでも、(この時点で)リリーサーを作動させるための動きにエンゲージし、じわじわと力をかけ始めます。
引手側に蓄積されたテンションがあとのことは全てやってくれるので、この後はリリーサーを切るための動きやドローイングを続けること、テンションをかけることを意識することはありません。
 この段階で、(サイトが)的の真ん中に下りてきたタイミングで、意識を押手側に集中するように切り替えます。そして押手のドライブを強めていきます。(押手のドライブは)人によって呼称は違うかもしれませんが、フォームの的側の半分と的が正しく繋がる感覚のことです。(伸ばした押手の)腕の背中側にある上腕三頭筋によって、押手の肩が的に向かって低く保たれた良い姿勢が整えられます。私の押手は少し柔らかい状態で押手の的へのドライブを開始します。
 この時私は、押手の肩で押そうとしたり、腕を伸ばそうとしたりしていません。その姿勢を保って、腕の背中側、上腕三頭筋のテンションを加減して 弓を持ち上げて的に向かうようにキープしているだけです。そして(この時押手にかかる力は)引手側にかかっている力と拮抗しています。この過程で、「機会の窓」が開いている間に、十分な力が残っている状態で、自然に(リリーサーが切れて)矢が発射されます…調子のよい日には。ダメな日もありますが。 

Q:ということは、リリーサーを切るタイミングを意識してはいないということでしょうか?
D:そうです。リリースは自然に起きます。アンカーに到達する前に力を蓄え、リリーサーを切る動作にエンゲージし、押手をドライブするというステップを積み重ねることによって、これらの3つのステップが一つの流れとなって、「機会の窓」が開いていて、力がみなぎっているうちに自然に発射されるのです。
  そうは言っても、日によってもそうですが、ときには同じエンドの中や同じ試合の間の1射、1射の単位で、その日に全体としてうまく機能するために、ひとつひとつのステップの重要度やどこをどのくらい意識して動作するかといったことは微妙な調整を要することがあります。
 (射の成否にかかわる)いろいろな要素が浮んでいる中から一つ取捨選択しているのですが、このように状況に応じて注意が必要な要素と気にしなくて良い要素を見極めて、流れを止めないで射を遂行するために必要なことにだけ集中する状態を作る必要があるということは、エクスキューション(リリーサーを切るための伸び合い)のスタイルやリリーサーの切り方が異なるアーチャーであっても当てはまることです。(ショットエクスキューションの際に意識を集中させる対象は)常に流動的なものと言えるでしょう。

ローマトロフィー2017のカズンズ選手 PHOTO AND MOIVIE COURTESY OF WA


Q:(リリーサーは意識して切らないということでしたが)親指トリガータイプのリリーサーの、トリガーの硬さやトラベル はどう設定していますか?ヒンジ・リリーサーのスピード調整はどうしていますか?
D:私が(講習会などで)誰かに教える時には、トリガーのテンションをかなり重めに設定し、トラベルは最小限に設定するようにしています。リストタイプ、親指トリガータイプ、薬指トリガーだけでなくヒンジタイプでも、リリーサーのタイプに関わりなく、リリーサーの作動機構の動き(パーツが擦れる感触)が感じられることは命取りになります。
 パーツが動く感触にはアーチャーをびくっとさせる何かがあって、射つための作業を続けられなくなってしまいます。アーチャーは(リリーサーの内部パーツの)軋みやずるずると動く感じを拾ってしまうと不安になったり、「お、切れるかと思ったけどまだなんだ。じゃあまだ引き続けないと」と意識してしまったりするために、動きが中断されてしまうのです。
 そういう訳で、私はまずリリーサーのトラベルを最小限、全く知覚できないくらいに設定します。そしてスプリングを交換したり、スプリングのテンション調整をしたりして、自然にリリースされるのにちょうど良い強さに設定します。私の場合、トリガーテンションはかなり軽い設定になっていますが、これはあくまで私のリリーサーへのコミットのやり方に合わせたものです。一方で、誰かに教える場合にはトリガー・トラベルは最小限に設定し、トリガーのスプリングはかなり硬めに設定するようにしています。これはアンカーリングしてリリーサーにエンゲージする時に、親指や人さし指をトリガーにかける際に、ある程度のテンションがかかった状態でトリガーに指をかけられるようにするためです。触れただけで発射されたらどうしようと心配をすることなく、指をかけてリリーサーにエンゲージできるようにするためです。(トリガーのテンションを硬めにすることによって)「おっ、トリガーに触れたぞ」と意識しすぎたり、トリガーに最初に触れる瞬間にドキドキしたりしなくて済み、ためらうことなく安心して指をかけることができるのです。

 ヒンジ・リリーサーの場合も、誰かに教える場合にはかなりスピードを遅くして、かなり(リリーサーの角度を)回転させるような設定にしています。そうすることによって、リリーサーを回転させ始めたとたんに発射されるんじゃないかとびびることなく、リリーサーを操作している感覚をしっかり感じられ、リリーサーにエンゲージ(リリーサーを切る動きを開始すること)することを意識し、リリーサーを回し続けることを感覚的に理解できるようになります。
 ヒンジ・リリーサーのクリッカーについて説明しましょう。私はヒンジ・リリーサーを使用する場合、いつもではありませんがクリッカーを使用することがあります。私が知る限り、私のようなクリッカーの使い方をしているアーチャーは他にはいないと思いますが、誰かに教える場合にはこのやり方を教えるようにしています。
 多くのアーチャーがフルドローしてサイトをつけて、サイトが良い位置に来て動きが収まったところで、「よし、リリーサーを切り始めよう」と思って引っ張ったり、ひねったりするなどしてクリッカーを鳴らしています。そしてクリッカーが鳴ると、黄色い注意信号が点滅し始めたみたい思っているアーチャーが多いようです。クリッカーが鳴った後はリリーサーが切れるポイントにぎりぎりまで近づいていていつ発射されてもおかしくないので、「気をつけろ、落ち着け」と警告されていると思っているようです。(このやり方では)サイトの動きがきになって、不安や焦り、恐れといった感情がもたらされることになります。私にとっては、このようなクリッカーの使い方はパニックを招くだけのように思います。
 私はサイトが的につく前にクリッカーを鳴らしてしまいます。ドローイングしてピープとスコープを覗いたら、サイトを的に下ろし始めるタイミングで意識的に指でリリーサーを回転させてクリッカーを鳴らします。
 (クリッカーが鳴るタイミングは)だいたい狙おうとしている的の上の端にサイトが来た時ですね。だから、インドアの縦三つ目の的を狙う場合は、必ず上から順番に1射目、2射目、3射目と射って行くのですが、それぞれの的の同じポイント、当てようと思っているところ(10点)の少し上でクリッカーが鳴ります。
 ということは、私の場合は、サイトが的の真ん中に納まるか前の段階で黄色い警告ランプが点灯してしまっているので、動き続け、テンションをかけ続けることを妨げられることはありません。もし、私がサイトを的につけてからクリッカーを鳴らしたとしたら、何も起きません(動けなくなってしまいます)。(そのタイミングでクリッカーが鳴ると)終わりが近づいていることを知ってしまい、リリーサーにちょっとでも力をかけたり動かしたりしたら、サイトが動いてしまいミスショットにつながるということを知っているからです。だから私はサイトが的につくはるか前に(リリーサーへのエンゲージを)スタートしているのです。
 私は時々クリッカー無しでヒンジ・リリーサーを使って射つことがありますが、その場合も(クリッカーを使う場合と)同じようにリリーサーを回し始めて、リリーサーへのエンゲージはサイトが的の真ん中につくはるか前です。確かに、(クリッカー無しでこのタイミングでリリーサーにエンゲージし始めるのは)勇気がいることと言えるので、しっかり練習を積んでマスターしなければなりません。念を押しておきますが、私にとってはこのやり方が合っているということです。

カズンズ選手の話の中で”window of opportunity”という言葉が度々出てきます。絶好の機会という訳が一般的なのですが、エイミングが長くなると機会がどんどん失われていく(窓が閉まっていく)感じを出したかったので、「機会の窓」と訳しました。さて、次回はみんなが気になっているチューニングについて取り上げます。お楽しみに!


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2021

02

24 Wed ~レジェンド、デイブ・カズンズ選手のQ&Aライブ その3

世田谷店の種部です。デイブ・カズンズ選手のQ&Aの第3回目はリカーブからコンパウンドへ転向しようとしているアーチャーへのアドバイスです。

デイブ・カズンズ選手Q&A その3
Q: 現在リカーブを射っているアーチャーからの質問です。リカーブアーチャーがコンパウドを始めるときに失敗しないためのアドバイスをお願いします。またどんなリリーサーがおすすめですか?
Dave Cousins(以下Dと表記):
リカーブボウをある程度射っている人の場合、ヒンジリリーサーの射ち方を理解しやすいと思います。リカーブボウでは弓の抵抗に対して力をかけ続けていなければなりませんし、ある一定の引き尺のところで、引き尺を大きく変えることなくテンションをかけながらホールディングすることを習得しています。さらに正しい射ち方をしているなら、(エイミングしながら)押手側を張って、弓がぶれないで的に向かうように方向性を与える押手の使い方をマスターしているはずです。

 最も大きな違いは、リカーブボウではクリッカーを切るために(ホールでイング時に)引き尺が実際に長くならなければなりません。それがリカーブボウでクリッカーを使って射つ時の基本原理です。一方コンパウンドボウではショットエクスキューションの際に引き尺が伸びても縮んでもいけません。設定した引き尺でカムが回りきって止るコンパウンドボウでは、フルドローした後は引き尺を変化させることなくテンションをかけていくことが求められます。そこが(リカーブボウからコンパウンドボウに転向する際に)適応しなければならない最大のポイントと言えるでしょう。
 そう考えると、ウォール(カムが回りきった時に止まる感覚)が硬めの(コンパウンドボウ)にすれば、引き尺の長さを変えながらクリッカーを切って射つという手順を忘れて、(カムが回りきったところで)止まってテンションをかけていくというやり方をマスターしやすいと思います。リカーブで学んだテクニックは無駄になりませんが、(リカーブに比べると)全体的な動作や伸び合いは大幅に凝縮され、ごく小さなものになるということです。
 私の考え方では、コンパウドの射ち方はリカーブと非常によく似た組み立て方なので、リカーブの経験者はコンパウンドを射つための基礎は既にできていると言って良いでしょう。リリーサーについてはヒンジリリーサー(いわゆるバックテンションリリーサー)がリカーブアーチャーには合うと思います。

Q:同じくリカーブからコンパウンドへ転向を考えているアーチャーからの質問ですが、例えばスープラフォーカスはコンパウドを始めるときの1本目の弓として良いと思いますか?
D:
引き尺にもよりますね。リカーブボウはだいたいが68インチから72インチだと思いますが、スープラフォーカスXLのようなアクセル間が40インチの弓は違和感ないのではないかと思います。ただ、引き尺が28インチ以下の場合は、アクセル間が37インチのノーマルのスープラフォーカスが良いと思います。アクセル間が長くなればなるほど、(フルドローした時の)ストリングの角度が大きくなる(緩やかになる)ので、(リカーブアーチャーにとっても)アンカーリグした時になじみやすいと言えます。
 リカーブではあごの下にアンカーリングしますが、(コンパウンドでは)その引手を45度くらい回転させてあごに付けて、トリングは鼻の先端につけます。(ストリングを鼻の先端に付けるのは)リカーブアーチャーが普段やっていることだと思いますが、引き尺によってアクセル間が38インチか40インチのどちらがしっくりくるかが決まります。目安として引き尺が29から30インチくらいだとしたら、アクセル間40インチ(28インチ以下なら37)が良いと思います。

デフレックスハンドルが魅力のスープラフォーカス


Q:アンカーの話題が出たので、コンパウンドのアンカーポイントの設定の仕方を教えてください。コンパウンドではリカーブほどしっかりしたアンカーの感覚がないように思うのですが、毎回同じアンカーを再現するためのチェックポイントはありますか?
D:アンカーについては、できるだけ多くのチェックポイントを持つというのが私の考え方です。確かにピープサイトというチェックポイントもあるじゃないか、と思うかもしれませんが、ピープサイトはアンカーのチェックポイントとしては最も信頼できない要素なのです。
 コンパウンドのアンカーリングの基本について言うと、まず何よりも先にリリーサーの持ち方をどうするかが重要です。リリーサーを第一関節と第二関節の間でホールドするのが、私が考える基本の位置です。こうすることによって、リリーサーをホールドした手をアンカーポイントにつける時に、手の甲がまっすぐに伸びてフラットな状態になります。これはリカーブでタブを使ってストリングに引き手を取りかけるのと同じ状態ですね。

リリーサーは第一関節と第二関節の間にホールドする


 手の甲をまっすぐに伸ばしてフラットにする理由は、例えばリリーサーに指を深くかけて握り込むと手の甲が曲がった状態になります。その状態を維持するのには何かしらの筋肉が関わることになり、その筋肉のテンションを一定に保つ必要があります。一本の矢を射つ間はもちろんですが、毎射、毎射(手の甲が曲がった状態を)全然一定に保てるはずがありません。
リリーサーをホールドする時には、リカーブアーチャーがタブを使ってストリングに取りかけた時の手の形を思い浮かべてください。私の考えでは両者は同じ形であり、それが(真っすぐでフラットな形であることが)重要な基本だと言えます。

 では、その手をアンカーポイントに持ってきてみましょう。まっすぐでフラットな手の甲は、フルドローした時にあごのラインの前、中間、後ろのどこにつけてもアンカーポイントを形成することができるので、垂直方向の確かなチェックポイントになるのです。 どうやってアンカーするかというと、(人さし指と中指の付け根で形作られた)V字をあごの角にあてるのです。こぶしではなくV字の部分をあごの角につけます。V字の一方の指をあごの角の下側に、もう一方を上側につけると、手は水平でも垂直でもなく、自然に45度くらいの角度になります。この状態であごの角のラインのどこかに(V字を)つけて垂直方向のチェックポイントとすることが、(この後お話しする)前後方向のチェックポイントと合わせてコンパウンドの正しいアンカーポイントを形成するための基本です。
 アンカーポイントのもう一つのチェックポイントは前後方向のポイントです。リカーブの経験があるアーチャーなら、一定の引き尺のところでアンカーリングすること、鼻の先端や唇の端(にストリングが付くこと)で前後の位置が決まるというやり方をそのまま(コンパウンドのアンカーにも)活かすことができます。その点はコンパウドでリリーサーを使う場合もリカーブと同じなのです。

ストリングを鼻の先端につけるという点は、リカーブもコンパウンドも同じ


 コンパウンドボウでリリーサーを使用する場合のアンカーリングの基本要素のラストは、ピープサイトです。残念ながら、ピープサイトはアンカーのチェックポイントとしては最も信頼性の低い基本要素と言えます。というのも、2番目(垂直方向)と3番目(前後方向)のチェックポイントが確立されていなければ、ピープサイト(を覗こうとすること)によって、正しい位置にアンカーすることが妨げられてしまうのです。
 ピープサイトの位置(高さ)は、引手があごの角に沿って前後のどこかにつき、なおかつストリングが鼻の先端や唇の端など顔のどこかについた時のアンカーの感覚をベースにして決められなければなりません。その上で、ピープサイトの上下の位置は、ストリングの真後ろに顔を持ってきたときに自然に覗ける位置に合わせます。そうすることによって、顔向けを一定に保つことができるのです。 ピープサイトはアンカーポイントに合わせて決めらるべきで、その逆(ピープサイトに合わせてアンカーリングすること)はないということです。

 リカーブからコンパウンドへ転向する場合の注意点、いかがでしたでしょうか。
 世田谷店ではリカーブからコンパウンドに転向したスタッフが弓具選びだけでなく、技術面のアドバイスも対応いたします。コンパウンドに興味があるリカーブアーチャーの皆さん、気軽にご相談ください。コンパウンド体験もできます(要予約)。
 次回のデイブ・カズンズ選手のQ&Aは、誰もが悩むリリーサーの切り方、ショットエクスキューションのポイントについてです。もう一つの誰もが気になっているテーマ、チューニングについては第5回で取り上げる予定です。


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2021

02

17 Wed ~レジェンド、デイブ・カズンズ選手のQ&Aライブ その2

世田谷店の種部です。カズンズ選手のQ&Aの第2部では「エイミング」についての疑問に答えてくれています。
 コンパウンドアーチャーの悩みの中でも、1、2位を争うテーマではないでしょうか。もう一つの悩みはリリーサーの切り方だと思いますが、カズンズ選手によるとエイミングとリリーサーの切り方は密接に関係しているようですね。

デイブ・カズンズ選手Q&A その2
Q:エイミングの話題が出たのでお聞きします。カズンズ選手はサイトの動きを小さく抑えようとするタイプですか、それともサイトが浮遊するままにするタイプですか?もし、サイトの動きを抑えようとするタイプだったら、どうやって抑えていますか?
Dave Cousins(以下Dと表記):何よりもまず、私は「潜在意識で狙う」タイプです。「潜在意識で狙う」タイプというのは、サイトの動きを解釈しません。それはどういうことかというと、サイトの動く方向や速さを変えようとしたり、サイトが的のある部分に止まって動かなかったりしても、サイトの動きを変えるために身体を意識的に動かそうとしないということです。私は(サイトを積極的にコントロールしようとして)「身体的に狙う」タイプではなく、潜在意識で狙うタイプなのです。
 私にとってのエイミングの定義は、ただ「眺めること」です。たとえば、今これを見ている人が画面の角を指さそうとしたとします。その人はただ画面の角を見れば、自然に指先がそこをさしているはずです。考えて指を動かす必要はないですよね、「指を上げて、もっと上、左へ動かして、もっと左、速すぎる、ゆっくり、おっと行き過ぎたから戻して…」といった具合にね。実はそれ(指を上げてとか、左にとか考えて動かすこと)が「身体的に狙う」ということです。それをやってしまうと、私の考えでは、「機会の窓」が開いているうちに、迷いのない「普通の射」をするために必要な身体的な作業をやり通すことを妨げてしまうからね。

 私は「潜在意識で狙う」方が簡単(に良い射ができる)と思っています。これは私がずっとやり続けてきたやり方なので、少し偏見も入っているかもしれません。私がいつも教えているコツがあります。それは実際に弓を引き始める前に、まず頭の中に10点に矢が当たる射のサイトピクチャー(狙っている時に的、ドット、スコープ、ピープサイトがどういう風に見えているか)を思い描くことです。まず10点とはどういうものかちゃんと定義すると、あるいは11点でも12点(NFAAなどの試合の満点)でも構いませんが、とにかくあなたが試合で射つ満点は、それは的上のある一つの点ですか?それともある範囲のことですか?簡単な問題ですね。「10点」というのは一定の面積を持つ範囲のことです。
 ということは、矢のシャフトがその範囲のどこかに少しでも触れてさえいれば、あなたが望むスコア(10点)が得られるのです。これが意味するところは、サイトピクチャーの中で何かが動いていても許されるし認められるということです。(サイトが)動いていてもだいじょうぶなのです。
 重要なのは、サイトピクチャーの微妙なずれを修正して、常に中心に戻って行くことなのですが、誰もが目の働きによって、サイトピクチャーのずれが自然に修正されるようになっているのです。たとえば車を運転する時のことを考えてください、道路の片側、車の右側には側溝や歩道、郵便ポストなどの障害物があり、日本とイギリスの人はその反対をイメージしてください、左側にはセンターラインがあり対向車がいます。運転を覚えたての頃には、運転はすごく神経をすり減らす作業だったと思います。道路の真ん中をキープしようとして道路の両側の障害物を意識したり、対向車や先行する車を意識したりして運転を修正していたと思います。しかし、経験を積むと意識しなくても修正できるようになり、ほとんど無意識に車を運転していますよね。
 (エイミングも)タイプを打つことやスマホの文字入力や、靴ひもを結ぶことを習得するのと変わりありません。コーヒーの入ったカップを口に持ってきて一口飲むのもそうですが、みんな無意識の(潜在意識によってコントロールされている)動作なのです。どんな形でもシューティングスポーツをある程度練習した人は、「潜在意識で狙う」ことをみにつけているはずなので、(潜在意識の働きに)身を任せるだけで良いのです。

潜在意識のエイミングは、箸を使ってご飯を食べるのと同じ?


Q:エイミングについてもう一つ質問が来ています。カズンズ選手はエイミング中にリラックスするタイプですか、それとも積極的にテンションをかけていくタイプですか?
D:私は「抵抗する」タイプですね。強い力をかけて射ちに行くタイプと言ってもいいかもしれません。実際にどうやって射っているか詳細を説明する前に、私の頭なのかがどうなっていて、どういう考え方をしているかちょっと話しておいた方が良いでしょう。
私にとっては、(エイミング中)ただ突っ立って何かが起きるのを待って受け身の状態でいるよりも、リリースするまでに何か身体的に行う作業があって、それをやり遂げるという課題がある方が良いのです。それが私の射に対する考え方です。
 その射をするために必要な抵抗する力は、実はドローイングしてアンカーポイントに引手を持ってくるよりも前に身体の中で形成されています。1本の矢を射つ作業を表すメーターがあると思ってください。数値はあくまでイメージで、実際の力の強さを表しているわけではないことを断っておきますね。仮に、射つのに必要な力のレベルがメーターの針が「10」をさすレベルだとします。私の場合、ドローイングしてきて、引手側をローディングして、アンカーに引手が到達する段階で、力のレベルはメーターの針が11か12ぐらいまで振り切れています。実際にリリースする瞬間に必要な力よりも大きな力を身体に蓄積しておきます。これは何をしているかというと、一つは自分の身体にここまで力を入れてい良いという限界を教えるとともに、タイミングと力の「機会の窓」が開いているうちに射ち切るために十分な力が蓄えられていることを確認しているのです。
 アンカーリングして、ピープとスコープを同心円に並べて、スコープを的の中心に下ろしていきます。サイトを下ろし始めた時に、リリーサーに「エンゲージ」します(リリーサーを切る作業に取り掛かること)。あなたが使っているリリーサーがストラップリリーサーでも、親指トリガーでも、ヒンジリリーサーでも、(どこかのタイミングで)リリーサーにエンゲージする…人さし指、親指、手を動かしてリリーサーを切るためのモーションを始めることが必要なのです。これは必ずしも、最後まで指や手でリリーサーを切るということではありませんが、とにかく身体のどこかを動かして、リリーサーを切るためのモーションをスタートさせなければなりませぬ。これは特にヒンジタイプのリリーサーでは重要です。ヒンジリリーサーはハンドルを回転させない限り発射されません。単純明快な原理に基づいて作られているわけです。(リリーサーを切るためのモーションを)身体を積極的に動かしてスタートすることが良いかどうかについては議論の余地がありますが、私にとっては積極的にリリーサーにエンゲージして、リリーサーを切る最初の動作をスタートさせることで射がうまくいくのです。
 リリーサーにエンゲージしたら、ゆっくり(サイトを)的に合わせます。引手のローディングやリリーサーにエンゲージすることは、(サイトが)ゴールドにつくはるか前の段階で始まっているのです。(サイトが)ゴールドについたら、引手側に蓄積された力のうち、リリースに必要な力を示すメーターの10を超える部分が押手へトランジットされ、押手のドライブに使われます。ドライブというのは、ショットエクスキューションの際に押手をゴールドにキープすることです。サイトが的につくはるか前の段階で、テンションをかけて、伸び合いのための力を入れているわけですが、それには理由があるのです。

 多くのアーチャーは、カムが回りきって「ウォール」に当るところまでドローイングしてサイトを的につけます。そしてエイミングしている時には、(サイトが)的の一定の範囲を一定のスピードで動いているはずです。サイトの動きが自分の許容するレベルになったときに、(リリーサーを切るための)必要な何らかの動作を起こすことを決断します。押したり、引いたり、あるいはひねったり、絞ったり、祈ったり、指を突っ込んだり、つま先を床に突き刺したり、息を止めたり…それがどんなものであれ、(身体の一部を)ある位置から別の位置に動かそうとする時、その過程で何が起きると思いますか?弓が動いてしまうのです!
 なぜなら(リリーサーを切るために今までとは違う別の)力が加えられることによって、弓を(ゴールドに)保っていたバランスが崩れるからです。アーチャーが(リリーサーを切るために)新たにテンションをかけることによって、弓を保っていた力のバランスに影響が出たのです。そして多くのアーチャーがこの動きを目にすると、いつもより早く動いている、いつもの範囲より大きく動いているので「おや、このままでは10点に当たらないかもしれない」と考えてリリーサーへのエンゲージ(親指で押す、リリーサーを回す、引手を絞るなどの動き)をスローダウンして(サイトを)合わせ直そうとします。   
 サイトを合わせ直したら、サイトの動きが(想定の範囲内、スピードに)落ち着くのを待たなければなりません。サイトが落ち着いたら、「よし、だいじょうぶだ」と思ってリリーサーへのエンゲージを再開するのですが、そうするとまた弓の動きが大きくなります。また、リリーサーを切りに行くのをやめると、サイトが止まりますが、動いては止まる、動いては止まるということを繰り返すことになります。どうですか、こういうのは身に覚えがありませんか?
 もちろんこのやり方でもうまくいくときもあります。しかし、動いたり止まったりを延々と繰り返して堂々巡りになるおそれがあります。動いたり止まったりを繰り返せば繰り返すほど、「機会の窓」はどんどん狭まっていき、リリースに必要な力がどんどん失われて、狙ったところに当てられる確率は急速に失われていきます。こういうことを防ぐために、私はサイトが的につくよりももっと前の段階で、ローディングしながらテンションをかけた状態で弓の抵抗に対抗しながらリリーサーを切るモーションをスタートさせているのです。このやり方をすることによって、私の身体はリリーサーを切るためのテンションをかけながらサイトの動きを安定させることをマスターしているのです。サイトを的に合わせるよりもはるか前に、リリーサーを切るためのテンションが押手側と引手側に分散されてかかっている状態ができ上っているからです。ここで再度念を押しておきますが、私にはこのやり方が合っているということです。
 押し引きのバランスを重視するもっと受け身の射ち方を否定するわけではありません。その人にそのやり方が合っているのなら良いのです。私がここで説明した方法は、他のどの方法よりも私のようなタイプのターゲットパニックには有効だということです。
 私が経験したタイプのターゲットパニックと言いましたが、今活躍しているトップアーチャーで、競技歴の中で何らかの形でターゲットパニックを経験したことがないアーチャーはいないと思います。私が経験したターゲットパニックは、「何も起きない」タイプで、引手をローディングし、リリーサーにエンゲージし、的に向かって押手をドライブする作業を正しい手順で行わないと、サイトが的の真ん中に下りてきた後、サイトが真ん中よりも下について全てが止まってしまいます。(サイトが)6時とか5時とかのゴールドのラインについて動けなくなります。他のタイプのターゲットパニックとしては、サイトが的の真ん中についた時に射とうとするタイプのアーチャーの場合、サイトが的の真ん中についていないと当たらないということを認識しているので、サイトが良い感じの速さで的の真ん中に来た時に「今なら当たる」と思って射ちに行くのですが、それが「予測」や「びびり」、パンチショットなどにつながるというものです。
 私にとっては、サイトが的につくよりも前にリリーサーを切るための力を使い始めるやり方が合っていると言いましたが、それは私のアーチェリーのルーツとも関係があります。私はオリンピックスタイルのリカーブボウでアーチェリーを始めたのですが、リカーブボウでは常に弓の反発力に対抗していなければならないですよね。動きを止めたり、動かしたりしていたら、身動き取れなくなり、的を狙うどころではなくなりますからね。

今回はこの辺で。次回はリカーブからコンパウンドへ転向する際の注意点について解説してくれます。コンパウンドへの転向を考えているリカーブアーチャーの皆さん必見です。


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2020

04

12 Sun 第三回 渋谷アーチェリーオンライン講習会 4/12 17:00~

みなさんこんにちは!

新宿店の河本です!

第三回になるオンライン講習会は 本日17時から

試合で最高のパフォーマンスを発揮するために。

について、種部と河本の対談形式で行います!

まだまだ不慣れなオンライン講習会ですが、皆様のアーチェリーライフに役立つ情報を発信していきます!

ぜひご参加ください!

また、放送中チャット等で気になるところなどを質問してください!

随時放送内でお答えしていきます!

放送はこちら!!


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2020

04

08 Wed SHIBUYA ARCHERY 第1回オンライン講習会 「リリーサーの使い方 by 種部」

皆様こんにちは!

渋谷アーチェリー新宿店河本です。

明日18時30分より

SHIBUYA ARCHERY 第1回オンライン講習会 「リリーサーの使い方 by 種部」

を開催いたします。

【講師:種部】

~~競技成績~~

全日本ターゲット選手権優勝

社会人ターゲット選手権優勝

社会人フィールド選手権優勝

全日本フィールド選手権優勝

全日本インドア選手権優勝

世界選手権日本代表

CP歴24年

日本の主要大会ですべて優勝している鉄人です。

長いキャリアの中で培ってきた技術をお伝えします。

https://zoom.us/j/784829545

【日程詳細】

2020年04月09日18:30~19:00

今流行りのZOOMにてミーティングを開きますので、ふるってご参加ください。

質疑応答の時間も取りますので、何か疑問がある方はこの際ご質問ください。

みんなでコロナに勝ちましょう!!


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2018

11

23 Fri ~12月キャンペーンのお知らせ~

皆さん、こんにちは!
SHIBUYAアーチェリー新宿店の古畑です。

今回はみなさんお待ちかね!12月のキャンペーンのお知らせです

毎年恒例の完成矢セールを開催します!!

X10、ACE、ACGの完成矢が1ダース以上のご購入でいつもよりとってもお得になります

※価格等の詳細は後日発表させていただきます!

さらに12/22(土)、23(日)、25(火)の3日間限定で、クリスマスプレゼントルーレットを実施!
セール対象の完成矢を注文いただいた方にささやかな景品をプレゼントさせていただきます。

また、セール初日の12月1日(土)にSHIBUYAスタディーサポートを開催いたします!
今回のセミナーのテーマはズバリ「カーボン矢に変えよう!」


いまアルミ矢をお使いで、そろそろカーボン矢デビューしようかな?という方はもちろん、
カーボン矢を使っているけど種類やサイズが多いから、もっと詳しく知りたい!という方や
どういう風にメンテナンスすればいいの~?!という方も

ぜひご参加ください!!

セミナーではスピンウィングベイン貼りを実践していただき、矢ペンを作ります。
矢ペンはお持ち帰りいただけます♪

■SHIBUYAスタディーサポート詳細■
日時:2018年12月1日(土) 9:30~11:30
場所:SHIBUYAアーチェリーが入っているビルの10階までお越しください。受付スタッフがご案内いたします。
参加費:500円(税込)
参加方法:SHIBUYAアーチェリープロショップHPのWEB予約から

予約方法は以下の通りです

①弊社HPのWEB予約システムから、12月1日を選択

②SHIBUYAスタディサポートを選択

③必要事項を入力していただきご予約完了です。


この機会をお見逃しなく!!

皆さまのご来店をお待ちしております^^


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2018

10

11 Thu ~SHIBUYAスタディサポート【競技用リムについて】~

みなさん、こんにちは
SHIBUYAアーチェリー新宿店長網です。

最近また秋らしい天気になってきましたね
ニットが着れる気温になったので、秋服を総動員して楽しみたいと思います。
皆様、インフルエンザが流行しているようですので手洗いうがいをお忘れなく!

さて、今回は10月のSHIBUYAスタディサポート開催のお知らせです。

前回は岩崎による「トレーニングについて」を開催しましたが、今回はこの時期気になってくる「競技用リムの選び方、特徴について」講習会を行います。

自分がどんなリムを選べばいいのか、リムにどんな特徴があるのか
買い換えたいけどどれを選べばいいのかわからない・・・などなど皆様の?にお応えします。

<講習会概要>
日程:2018年10月18日 (木) 9:30~11:00 予定
定員:20名
集合場所:SHIBUYAアーチェリー新宿店の入っているビル【10階】まで直接お越しください。
10階に受付スタッフがおりますので、ご予約者様名義で受付をお願い致します。
参加方法:当ショップ予約システムにて前日12時まで申し込み可能です。
参加費:無料

参加方法は以下の通りです。
①弊社HP「SHIBUYAリザーブ」にて、10
月18日を選択。

②「SHIBUYAスタディーサポート」を選択。
③氏名、連絡先を記入し、予約完了。

前日17日12時までご予約を承っております。

お電話でのご予約は承っておりませんので、ご了承ください。

皆様のご参加お待ちしております!


Category: SHIBUYAスタディサポート, お知らせ, 新宿店, 筆者:長網 美樹
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