2021

02

27 Sat ~PSEレーザー コンパウンドボウ

こんにちは、世田谷店の種部です。
 PSEのニューモデル、レーザーのサンプルが入荷したので、ファーストインプレッションをレビューします。
ストレートハンドルに、やや立ち気味のコンベンショナルなデザインのリムと新しいNFカムを搭載したオールラウンドモデルです。本体価格110,000円(税別)とコストパフォーマンスの良さも魅力ですね。

NFカム
 レーザー用に新しく開発されたNFカムは、スムーズなドローイングとホールディングしやすさが特徴。すごくスピードが速いわけではありませんが、引きやすさの割には遅くないと感じました。癖がなく射ちやすい、というのが実際に射ってみた第一印象です。

引き尺の調整範囲は余裕の24インチから30.5インチ


 レストを適当に(だいたい初期設定位置に)つけてペーパーを射ってみましたが、きれいなブレットホールが開きました。癖がない、ですね。

デュアルホール
 スタビライザーのマウントも的側、フェイス側ともに上下デュアルタイプになっているので、バランスセッティングの可能性が広がりますね。もちろん、フェイス側(アーチャー側)に上下デュアル仕様になっています。
 私はサイテーションでセンターロッドとカウンターを下のリムポケット寄りのスタビライザーマウントに取り付けて使用していますが、弓が自然に真っすぐに立つ感じがして安心感があります。いろいろな地形で射つことになるフィールド競技で威力を発揮するのではないかと思います。

 レスト取り付け用のバーガーホールは二つ開いているので、レストを二本のボルトでしっかり固定できます。トルクチューニングの際にも便利ですね。

ハイエンドモデルと同じデザインのインテグラルグリップ


 グリップはフルカバーのプラスチックグリップが付いてきますが、競技で使うのには分厚すぎるので外した方が良いでしょう。グリップを外しても、再現性が高そうなデザインで、違和感なく手になじむよう面取りがされたインテグラルグリップデザインになっています。

PBTS(プレシジョン・バス・チューニング・システム)
 ハイエンドモデルにもない、カムの両サイドにかかったバスケーブルのテンションを調整してカムの傾きを補正できる新しいシステムを搭載しています。コンパウンドのチューニングの問題のほとんどは、グリップのトルクと弓のセッティングが合っていないことによるのですが、このPBTSを使えば、簡単に自分の射ち方に合わせてカムをチューニングすることが可能になるでしょう。もちろんスペーサーによるカムの左右のポジション調整もできます。

PSEレーザーは引き尺24インチから使えるので、女性にもおすすめです。
 初めてのコンパウンドボウとしても引き尺調整範囲、ピークウエイトの調整範囲が広く、安心です。試し引きは世田谷店へ!ご予約お待ちしております。


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2021

02

26 Fri ~レジェンド、デイブ・カズンズ選手のQ&A その4

こんにちは、世田谷店の種部です。
今回はショットエクスキューションがテーマです。ショットエクスキューションとは、エイミング中リリーサーを作動させるために何らかの動きやテンションをかけるわけですが、そのプロセスのことですね。その射の成否を分ける重要なステップですが、サイトの動きや試合のプレッシャーの影響で、最もストレスが大きい時間帯でもあります。デイブ・カズンズ選手は、どいう対処しているのでしょうか。

Q:ショットエクスキューションの際に重視していることは何ですか?伸び合ってリリーサーを切る際に何に意識を集中させていますか?
デイブ・カズンズ選手(以下Dと表記します):それを説明するには、まず私の射のルーティンを始めから通して話しておいた方が理解しやすいと思います。( 実際に弓を引き起こす前に)まず第一にやることは、自分が達成したいと思っている目標をヴィジュアライズする(視覚化してイメージする)ことです。それはもちろん、私の矢がXリングの真ん中に刺さることですね。
 そして次に、その射を達成する時のサイトピクチャーをイメージします。テンションをかけていくのでサイトが動いていても、10点のリング内で動いている限り気にしません。的のどこか一点にピタッと止めている必要はないのです。サイトが動いていても、的の中心に向かって戻ってくる限りテンションをかけ続けて行きます。
 次に意識するのはドローイングの際の引手側の肩のブロックが正しく回転することです。引手側の肩甲骨が大きく回って(押手側の肩甲骨に向かって)寄ることによって、引手側の力が蓄えられます。子の肩甲骨の動きによって、肩甲骨の下にある筋肉が使われるのです。押手側の肩甲骨に向かって、引手側の肩甲骨がドローイングとともに大きく回って下がりながら寄って行き、テンションがローディングされます。

 次に、引手がアンカーポイントに到達し、スコープとピープを同心円に見た時点で、リリーサーにエンゲージし始めます。リリーサーがヒンジタイプでも親指トリガータイプでも、リストタイプでも、(この時点で)リリーサーを作動させるための動きにエンゲージし、じわじわと力をかけ始めます。
引手側に蓄積されたテンションがあとのことは全てやってくれるので、この後はリリーサーを切るための動きやドローイングを続けること、テンションをかけることを意識することはありません。
 この段階で、(サイトが)的の真ん中に下りてきたタイミングで、意識を押手側に集中するように切り替えます。そして押手のドライブを強めていきます。(押手のドライブは)人によって呼称は違うかもしれませんが、フォームの的側の半分と的が正しく繋がる感覚のことです。(伸ばした押手の)腕の背中側にある上腕三頭筋によって、押手の肩が的に向かって低く保たれた良い姿勢が整えられます。私の押手は少し柔らかい状態で押手の的へのドライブを開始します。
 この時私は、押手の肩で押そうとしたり、腕を伸ばそうとしたりしていません。その姿勢を保って、腕の背中側、上腕三頭筋のテンションを加減して 弓を持ち上げて的に向かうようにキープしているだけです。そして(この時押手にかかる力は)引手側にかかっている力と拮抗しています。この過程で、「機会の窓」が開いている間に、十分な力が残っている状態で、自然に(リリーサーが切れて)矢が発射されます…調子のよい日には。ダメな日もありますが。 

Q:ということは、リリーサーを切るタイミングを意識してはいないということでしょうか?
D:そうです。リリースは自然に起きます。アンカーに到達する前に力を蓄え、リリーサーを切る動作にエンゲージし、押手をドライブするというステップを積み重ねることによって、これらの3つのステップが一つの流れとなって、「機会の窓」が開いていて、力がみなぎっているうちに自然に発射されるのです。
  そうは言っても、日によってもそうですが、ときには同じエンドの中や同じ試合の間の1射、1射の単位で、その日に全体としてうまく機能するために、ひとつひとつのステップの重要度やどこをどのくらい意識して動作するかといったことは微妙な調整を要することがあります。
 (射の成否にかかわる)いろいろな要素が浮んでいる中から一つ取捨選択しているのですが、このように状況に応じて注意が必要な要素と気にしなくて良い要素を見極めて、流れを止めないで射を遂行するために必要なことにだけ集中する状態を作る必要があるということは、エクスキューション(リリーサーを切るための伸び合い)のスタイルやリリーサーの切り方が異なるアーチャーであっても当てはまることです。(ショットエクスキューションの際に意識を集中させる対象は)常に流動的なものと言えるでしょう。

ローマトロフィー2017のカズンズ選手 PHOTO AND MOIVIE COURTESY OF WA


Q:(リリーサーは意識して切らないということでしたが)親指トリガータイプのリリーサーの、トリガーの硬さやトラベル はどう設定していますか?ヒンジ・リリーサーのスピード調整はどうしていますか?
D:私が(講習会などで)誰かに教える時には、トリガーのテンションをかなり重めに設定し、トラベルは最小限に設定するようにしています。リストタイプ、親指トリガータイプ、薬指トリガーだけでなくヒンジタイプでも、リリーサーのタイプに関わりなく、リリーサーの作動機構の動き(パーツが擦れる感触)が感じられることは命取りになります。
 パーツが動く感触にはアーチャーをびくっとさせる何かがあって、射つための作業を続けられなくなってしまいます。アーチャーは(リリーサーの内部パーツの)軋みやずるずると動く感じを拾ってしまうと不安になったり、「お、切れるかと思ったけどまだなんだ。じゃあまだ引き続けないと」と意識してしまったりするために、動きが中断されてしまうのです。
 そういう訳で、私はまずリリーサーのトラベルを最小限、全く知覚できないくらいに設定します。そしてスプリングを交換したり、スプリングのテンション調整をしたりして、自然にリリースされるのにちょうど良い強さに設定します。私の場合、トリガーテンションはかなり軽い設定になっていますが、これはあくまで私のリリーサーへのコミットのやり方に合わせたものです。一方で、誰かに教える場合にはトリガー・トラベルは最小限に設定し、トリガーのスプリングはかなり硬めに設定するようにしています。これはアンカーリングしてリリーサーにエンゲージする時に、親指や人さし指をトリガーにかける際に、ある程度のテンションがかかった状態でトリガーに指をかけられるようにするためです。触れただけで発射されたらどうしようと心配をすることなく、指をかけてリリーサーにエンゲージできるようにするためです。(トリガーのテンションを硬めにすることによって)「おっ、トリガーに触れたぞ」と意識しすぎたり、トリガーに最初に触れる瞬間にドキドキしたりしなくて済み、ためらうことなく安心して指をかけることができるのです。

 ヒンジ・リリーサーの場合も、誰かに教える場合にはかなりスピードを遅くして、かなり(リリーサーの角度を)回転させるような設定にしています。そうすることによって、リリーサーを回転させ始めたとたんに発射されるんじゃないかとびびることなく、リリーサーを操作している感覚をしっかり感じられ、リリーサーにエンゲージ(リリーサーを切る動きを開始すること)することを意識し、リリーサーを回し続けることを感覚的に理解できるようになります。
 ヒンジ・リリーサーのクリッカーについて説明しましょう。私はヒンジ・リリーサーを使用する場合、いつもではありませんがクリッカーを使用することがあります。私が知る限り、私のようなクリッカーの使い方をしているアーチャーは他にはいないと思いますが、誰かに教える場合にはこのやり方を教えるようにしています。
 多くのアーチャーがフルドローしてサイトをつけて、サイトが良い位置に来て動きが収まったところで、「よし、リリーサーを切り始めよう」と思って引っ張ったり、ひねったりするなどしてクリッカーを鳴らしています。そしてクリッカーが鳴ると、黄色い注意信号が点滅し始めたみたい思っているアーチャーが多いようです。クリッカーが鳴った後はリリーサーが切れるポイントにぎりぎりまで近づいていていつ発射されてもおかしくないので、「気をつけろ、落ち着け」と警告されていると思っているようです。(このやり方では)サイトの動きがきになって、不安や焦り、恐れといった感情がもたらされることになります。私にとっては、このようなクリッカーの使い方はパニックを招くだけのように思います。
 私はサイトが的につく前にクリッカーを鳴らしてしまいます。ドローイングしてピープとスコープを覗いたら、サイトを的に下ろし始めるタイミングで意識的に指でリリーサーを回転させてクリッカーを鳴らします。
 (クリッカーが鳴るタイミングは)だいたい狙おうとしている的の上の端にサイトが来た時ですね。だから、インドアの縦三つ目の的を狙う場合は、必ず上から順番に1射目、2射目、3射目と射って行くのですが、それぞれの的の同じポイント、当てようと思っているところ(10点)の少し上でクリッカーが鳴ります。
 ということは、私の場合は、サイトが的の真ん中に納まるか前の段階で黄色い警告ランプが点灯してしまっているので、動き続け、テンションをかけ続けることを妨げられることはありません。もし、私がサイトを的につけてからクリッカーを鳴らしたとしたら、何も起きません(動けなくなってしまいます)。(そのタイミングでクリッカーが鳴ると)終わりが近づいていることを知ってしまい、リリーサーにちょっとでも力をかけたり動かしたりしたら、サイトが動いてしまいミスショットにつながるということを知っているからです。だから私はサイトが的につくはるか前に(リリーサーへのエンゲージを)スタートしているのです。
 私は時々クリッカー無しでヒンジ・リリーサーを使って射つことがありますが、その場合も(クリッカーを使う場合と)同じようにリリーサーを回し始めて、リリーサーへのエンゲージはサイトが的の真ん中につくはるか前です。確かに、(クリッカー無しでこのタイミングでリリーサーにエンゲージし始めるのは)勇気がいることと言えるので、しっかり練習を積んでマスターしなければなりません。念を押しておきますが、私にとってはこのやり方が合っているということです。

カズンズ選手の話の中で”window of opportunity”という言葉が度々出てきます。絶好の機会という訳が一般的なのですが、エイミングが長くなると機会がどんどん失われていく(窓が閉まっていく)感じを出したかったので、「機会の窓」と訳しました。さて、次回はみんなが気になっているチューニングについて取り上げます。お楽しみに!


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2021

02

24 Wed ~レジェンド、デイブ・カズンズ選手のQ&Aライブ その3

世田谷店の種部です。デイブ・カズンズ選手のQ&Aの第3回目はリカーブからコンパウンドへ転向しようとしているアーチャーへのアドバイスです。

デイブ・カズンズ選手Q&A その3
Q: 現在リカーブを射っているアーチャーからの質問です。リカーブアーチャーがコンパウドを始めるときに失敗しないためのアドバイスをお願いします。またどんなリリーサーがおすすめですか?
Dave Cousins(以下Dと表記):
リカーブボウをある程度射っている人の場合、ヒンジリリーサーの射ち方を理解しやすいと思います。リカーブボウでは弓の抵抗に対して力をかけ続けていなければなりませんし、ある一定の引き尺のところで、引き尺を大きく変えることなくテンションをかけながらホールディングすることを習得しています。さらに正しい射ち方をしているなら、(エイミングしながら)押手側を張って、弓がぶれないで的に向かうように方向性を与える押手の使い方をマスターしているはずです。

 最も大きな違いは、リカーブボウではクリッカーを切るために(ホールでイング時に)引き尺が実際に長くならなければなりません。それがリカーブボウでクリッカーを使って射つ時の基本原理です。一方コンパウンドボウではショットエクスキューションの際に引き尺が伸びても縮んでもいけません。設定した引き尺でカムが回りきって止るコンパウンドボウでは、フルドローした後は引き尺を変化させることなくテンションをかけていくことが求められます。そこが(リカーブボウからコンパウンドボウに転向する際に)適応しなければならない最大のポイントと言えるでしょう。
 そう考えると、ウォール(カムが回りきった時に止まる感覚)が硬めの(コンパウンドボウ)にすれば、引き尺の長さを変えながらクリッカーを切って射つという手順を忘れて、(カムが回りきったところで)止まってテンションをかけていくというやり方をマスターしやすいと思います。リカーブで学んだテクニックは無駄になりませんが、(リカーブに比べると)全体的な動作や伸び合いは大幅に凝縮され、ごく小さなものになるということです。
 私の考え方では、コンパウドの射ち方はリカーブと非常によく似た組み立て方なので、リカーブの経験者はコンパウンドを射つための基礎は既にできていると言って良いでしょう。リリーサーについてはヒンジリリーサー(いわゆるバックテンションリリーサー)がリカーブアーチャーには合うと思います。

Q:同じくリカーブからコンパウンドへ転向を考えているアーチャーからの質問ですが、例えばスープラフォーカスはコンパウドを始めるときの1本目の弓として良いと思いますか?
D:
引き尺にもよりますね。リカーブボウはだいたいが68インチから72インチだと思いますが、スープラフォーカスXLのようなアクセル間が40インチの弓は違和感ないのではないかと思います。ただ、引き尺が28インチ以下の場合は、アクセル間が37インチのノーマルのスープラフォーカスが良いと思います。アクセル間が長くなればなるほど、(フルドローした時の)ストリングの角度が大きくなる(緩やかになる)ので、(リカーブアーチャーにとっても)アンカーリグした時になじみやすいと言えます。
 リカーブではあごの下にアンカーリングしますが、(コンパウンドでは)その引手を45度くらい回転させてあごに付けて、トリングは鼻の先端につけます。(ストリングを鼻の先端に付けるのは)リカーブアーチャーが普段やっていることだと思いますが、引き尺によってアクセル間が38インチか40インチのどちらがしっくりくるかが決まります。目安として引き尺が29から30インチくらいだとしたら、アクセル間40インチ(28インチ以下なら37)が良いと思います。

デフレックスハンドルが魅力のスープラフォーカス


Q:アンカーの話題が出たので、コンパウンドのアンカーポイントの設定の仕方を教えてください。コンパウンドではリカーブほどしっかりしたアンカーの感覚がないように思うのですが、毎回同じアンカーを再現するためのチェックポイントはありますか?
D:アンカーについては、できるだけ多くのチェックポイントを持つというのが私の考え方です。確かにピープサイトというチェックポイントもあるじゃないか、と思うかもしれませんが、ピープサイトはアンカーのチェックポイントとしては最も信頼できない要素なのです。
 コンパウンドのアンカーリングの基本について言うと、まず何よりも先にリリーサーの持ち方をどうするかが重要です。リリーサーを第一関節と第二関節の間でホールドするのが、私が考える基本の位置です。こうすることによって、リリーサーをホールドした手をアンカーポイントにつける時に、手の甲がまっすぐに伸びてフラットな状態になります。これはリカーブでタブを使ってストリングに引き手を取りかけるのと同じ状態ですね。

リリーサーは第一関節と第二関節の間にホールドする


 手の甲をまっすぐに伸ばしてフラットにする理由は、例えばリリーサーに指を深くかけて握り込むと手の甲が曲がった状態になります。その状態を維持するのには何かしらの筋肉が関わることになり、その筋肉のテンションを一定に保つ必要があります。一本の矢を射つ間はもちろんですが、毎射、毎射(手の甲が曲がった状態を)全然一定に保てるはずがありません。
リリーサーをホールドする時には、リカーブアーチャーがタブを使ってストリングに取りかけた時の手の形を思い浮かべてください。私の考えでは両者は同じ形であり、それが(真っすぐでフラットな形であることが)重要な基本だと言えます。

 では、その手をアンカーポイントに持ってきてみましょう。まっすぐでフラットな手の甲は、フルドローした時にあごのラインの前、中間、後ろのどこにつけてもアンカーポイントを形成することができるので、垂直方向の確かなチェックポイントになるのです。 どうやってアンカーするかというと、(人さし指と中指の付け根で形作られた)V字をあごの角にあてるのです。こぶしではなくV字の部分をあごの角につけます。V字の一方の指をあごの角の下側に、もう一方を上側につけると、手は水平でも垂直でもなく、自然に45度くらいの角度になります。この状態であごの角のラインのどこかに(V字を)つけて垂直方向のチェックポイントとすることが、(この後お話しする)前後方向のチェックポイントと合わせてコンパウンドの正しいアンカーポイントを形成するための基本です。
 アンカーポイントのもう一つのチェックポイントは前後方向のポイントです。リカーブの経験があるアーチャーなら、一定の引き尺のところでアンカーリングすること、鼻の先端や唇の端(にストリングが付くこと)で前後の位置が決まるというやり方をそのまま(コンパウンドのアンカーにも)活かすことができます。その点はコンパウドでリリーサーを使う場合もリカーブと同じなのです。

ストリングを鼻の先端につけるという点は、リカーブもコンパウンドも同じ


 コンパウンドボウでリリーサーを使用する場合のアンカーリングの基本要素のラストは、ピープサイトです。残念ながら、ピープサイトはアンカーのチェックポイントとしては最も信頼性の低い基本要素と言えます。というのも、2番目(垂直方向)と3番目(前後方向)のチェックポイントが確立されていなければ、ピープサイト(を覗こうとすること)によって、正しい位置にアンカーすることが妨げられてしまうのです。
 ピープサイトの位置(高さ)は、引手があごの角に沿って前後のどこかにつき、なおかつストリングが鼻の先端や唇の端など顔のどこかについた時のアンカーの感覚をベースにして決められなければなりません。その上で、ピープサイトの上下の位置は、ストリングの真後ろに顔を持ってきたときに自然に覗ける位置に合わせます。そうすることによって、顔向けを一定に保つことができるのです。 ピープサイトはアンカーポイントに合わせて決めらるべきで、その逆(ピープサイトに合わせてアンカーリングすること)はないということです。

 リカーブからコンパウンドへ転向する場合の注意点、いかがでしたでしょうか。
 世田谷店ではリカーブからコンパウンドに転向したスタッフが弓具選びだけでなく、技術面のアドバイスも対応いたします。コンパウンドに興味があるリカーブアーチャーの皆さん、気軽にご相談ください。コンパウンド体験もできます(要予約)。
 次回のデイブ・カズンズ選手のQ&Aは、誰もが悩むリリーサーの切り方、ショットエクスキューションのポイントについてです。もう一つの誰もが気になっているテーマ、チューニングについては第5回で取り上げる予定です。


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2021

02

22 Mon ~対談ブログその1~

みなさん こんにちは
渋谷アーチェリーの山本です。

先月、ブログにて対談を実施したとUPしていましたが、本日以降対談内容を数日に分けてUPしていきます。
是非これからの考え方等に参考にしてもらえれば幸いです。

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対談について:アーチェリー おける練習方法は、各地域ごとにそれぞれの考え方で指導・育成が行われていることが多く、指導者不在等で正しい情報がいきわたっていないことも少なくない。その結果、上達スピードがついてこないことでアーチェリーの面白さを理解出来ないまま、辞めてしまう選手もたくさん目にしてきました。この情報差を少しでも埋めれるように、選手としての経験・指導者としての経験をもった坂野さん、熱田さんにそれぞれの段階で必要な練習方法・考え方とは何かを聞いてみました。

【対談内容】

山本:それでは、それぞれの経験から教えてもらえますか?

坂野:中学生でアーチェリー初めた時は部活だった。基本的には部のメンバーと一緒に練習する。最初はランニング、筋トレがメイン。ゴム引きで形を作って、ある程度射型ができたら弓を使って素引きをします。

山本:実際の弓を使うのはどのようなタイミングで使い始める?

坂野:弓を使うタイミングはみんな揃った印象だった。練習開始からそんなに遅くなかったかな。

熱田:ゴム弾きの期間はどのくらい?

坂野:夏頃には弓を射っていたから、1ヶ月くらい?記憶は曖昧だけど…笑  夏に間に合わせるような感じで進めていた。筋トレが嫌いだったけど、フォームの練習はしっかり取り組んでた。部活に選抜大会優勝したことある先輩がいて、フォーム褒められたのは覚えている。

山本:先輩以外に教えてくれる人はいた?

坂野:顧問はいたけれど、常時滞在するコーチはいなかった。試合の時に地域の協会の人が教えてくれることはある。

山本:基礎練習ってどれくらいの期間取り組んでいましたか?中高一貫の学校って基礎をしっかりやってる印象なんですけど、坂野さんはどんな感じ?

坂野:中学校一年冬までは学校からの借りた弓を使用していたから、ずっと20ポンドくらいで、距離も打ったとしても18メートル。クリッカーもつけていなかった。

山本:試合出てたりするけど、無理にポンド上げたりしていないし、基礎の要素は残ってますね。
私は高校からスタートしたけど、最初は筋トレ、ゴム引き、木の弓で素引き。実際に打つのは自分の弓が届いてから。弓を購入して良いのは、素引き用弓で1分ホールディング出来たら。
6月くらいには弓頼んでたかな?7月には18mを打ち始めてたと思う。
それ以降段階的に基準が設定されていて、18m300点出たら30m。30mで300点でクリッカー。600点超えるとカーボン矢。
個人的には結構順調に基準をクリアしていたけど、振り返ってみると引き尺短かった(矢尺26インチ程度)のが結果良かったのかなと考えている。
正直実質ポンドはそんなに出てなかったと思う。結果として基礎を作るタイミングで負担の低い弓になってたのかな。

熱田さんは大学スタートだけど、大学の部活動はどのような感じでした?

熱田:山本さんの高校での流れと同じような感じです。
部活に入って、最初はゴム引き初めて、ハンドルが自分の物になったのが5月中頃。22ポンドのレンタルリムつけて、夏合宿には36ポンドのリム買っていた。
30m300点出るか出ないでクリッカーつけようかという感じ。インドアまではサイドロッドとかつけないで、クリッカーだけつける方針だっけど、点数が出てきたから僕はサイドロッドも途中でつけた。

山本:中学校、高校、大学スタートの経験をそれぞれ話したけど、三人とも常駐する指導者は居なかったようですね。
最近は坂野さんや熱田さんも含めて、身近な年齢でも指導者として活動する人が増えてきた印象だけど、
当時、決まった指導者がいない状況でどうやって情報集めていたのか、これまでの経験でよかったまたは悪かった練習方法など教えてください。

坂野:アンカーをしっかりつけるとか基礎的な部分は教えてもらってたから、そこを自分なりに守っていた。初めて弓を打った時に5mくらいだったけど、打った矢が全部右上に外れていた。逆方向を狙えば黄色はいるんじゃないかと考えて試してみたら全部真ん中に当たった。自分で感じて、考えて修正して、上手くいった事がとても印象に残っている。打ちながら、分析して修正するという自分の打ち方を直していくサイクルが良かったのだと思う。

熱田:日本人の選手は何か確立したものがあるわけではなく、自分等でやりながら、自分の軸からズレたから戻る。新しい知識をいれて軸を太くして新しい打ち方にしていくという流れが多いように感じます。
自分にはそれが出来なかった。色々知識を取り入れたが何が正解が分からなかった。本(インサイドアーチャー)やYouTubeに上がっている動画を参考にしていたけれど、真似をしていくと結果でなくなった。

山本:何か目指すべきものがあると上手くいきそうですけど。

熱田:毎日やりたいことが変わってしまったんです。

山本:目指すべきものが沢山あったんですね・・・。

熱田:迷子でした。何が正しい知識なのか判断することが出来ていなかったんです。なので一つに絞って学ぼうと考えてリー・キーシクさんのいるアメリカにいくことにしました。

坂野:真似をするのはいいと思うけど、真似するだけだと、自分の打ち方にならない。自分の思い描いてる打ち方を模写してるだけになる。形と感覚が繋がらないからズレた時にわからなくなるんだよね。

山本:何のためにその打ち方にするかっていうのは、目的と一致してたらいいけど、とりあえずカッコいいから真似をするというのはやめたほうがいいでしょうね。
自分が足りてないと感じる技術に対して、足りてる人を目指して練習していると過剰になるときがある。バランスが大事だけれど、やり過ぎに気付けない。個人的にも経験があるけど、高校生の頃、先輩のリリースを参考にしていたが、何でそれがいいのか考えていなかった。その技術に対して正しい理解していれば別だったけど、最終的には意識し過ぎて極端な形になってしまった。

熱田:でも選手はそれで良いと思う。

坂野:そこのバランスを指摘するのは、間違いなく指導者の役割だよね。

〜〜〜〜次回【指導者の重要性について】へ続く〜〜〜〜〜

【対談参加者】
参加者①
氏名:坂野太一
所属:日本体育大学アーチェリー部コーチ

【略歴】
2002年:愛知県岡崎市立東海中学校でリカーブアーチェリーを始める
2005年:愛知産業大学三河高等学校入学
高校時代 選抜、インターハイ、国体優勝
2008年:日本体育大学入学
大学時代 インカレ、王座、全日本選手権、世界学生大会優勝
2012年:日本体育大学大学院入学 コーチング学修士
2014年:自衛隊体育学校入隊
2017年:日本体育大学コーチ就任
2018年:コンパウンドアーチェリーを始める
全日本選手権コンパウンド部門優勝
2020年:ベアボウアーチェリーを始める
2021年:ベアボウ日本記録樹立

参加者②
氏名:熱田雅也

【略歴】
2013年:駒澤大学にてアーチェリー開始
2015年:運動生理学とスポーツ心理学を学ぶため渡米
2017年:リーキーシクのセミナーへ参加。アメリカナショナルトレーニングコーチング資格を獲得。
2018年:リーキーシクが指導するKSLショットサイクルを利用して西海岸選手権3位、同年アメリカ版インカレにて2位を獲得。
2019年:KSLインターナショナルコーチコーチング資格を獲得

参加者③
氏名:山本悠太
所属:渋谷アーチェリー株式会社

【略歴】
2005年:兵庫県舞子高等学校でアーチェリー(リカーブ種目)を始める
2007年:インターハイ予選ラウンドで日本高校記録(70mW659点※当時)樹立
2008年:日本体育大学入学
2011年:国民体育大会 成年の部 個人 優勝
2012年:渋谷アーチェリー株式会社入社
2013年:コンパウンド種目へ転向
2013年、2015年、2017年:世界ターゲット選手権大会出場(コンパウンド種目)
コンパウンド部門日本記録複数回樹立(コンパウンド50mラウンド等)

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2021

02

21 Sun 本日のタイムセール!

みなさんこんにちは!

世田谷店河本です。

本日も18時より、タイムセール行います!
ご来店が難しい時期ですので、商品紹介込みでぜひご覧いただけたらと思います。

本日のタイムセール品は
①福袋でも大人気だったオクルススコープセット
②大人気クィーバー
③個性的なタブたち

この三つが格安になりますので、ぜひご注文いただけたらと思います!

それでは18時にお会いしましょう!

※チャンネル登録すると見逃さなくなります!

https://www.youtube.com/channel/UCVlsB9FOGOOW2v-w4oylgXA


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2021

02

20 Sat ~世田谷店及びオフィス アルバイト募集開始~

みなさん こんにちは
渋谷アーチェリー株式会社の山本です。

渋谷アーチェリー株式会社では、現在世田谷店及びオフィススタッフのアルバイト募集を開始しました!

店舗スタッフ、営業事務、指導スタッフ等でアルバイト募集を行っております。渋谷アーチェリーのスタッフとしてアーチェリー業界で働いてみませんか?渋谷アーチェリーに在籍するスタッフは、世界選手権代表や全日本選手権優勝経験者等もいる為、アーチェリーの勉強にはもってこいの環境です。販売スタッフだけでなく、基本的にデスクワークのオフィスでの業務や英語を使用する業務でも募集しているので、アーチェリーは好きだけど販売スタッフは不安という方もご安心ください。土日の業務もありますので、社会人の方の副業も大歓迎です。学生の方も社会人の方も是非ご検討ください。

たくさんの方のご応募お待ちしております!

アルバイトに関しては、下記が基本条件になっています。

給与 時給1,100円~※昇給制度有。土日勤務1,200円~
職種 店舗スタッフ、指導スタッフ、営業事務等
勤務地 東京都世田谷区:東急田園都市線池尻大橋駅徒歩5分
その他 週2日 3時間/日~OK、交通費支給※上限有、スタッフ割引き制度有、英語歓迎、アーチェリー好きな方大歓迎、社会人の方の副業大歓迎

採用に関するお問い合わせは、下記採用メールアドレスからメールにてお願いいたします。
※ONLINE店、世田谷店の問合せ用アドレスではご対応に時間がかかる場合がございます。予めご了承ください。

アルバイト応募はこちら→メールはこちらへ


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2021

02

19 Fri CP PRO発表&第30回全日本室内アーチェリー選手権大会

みなさん こんにちは
渋谷アーチェリー株式会社の山本です。

昨日夜にSHIBUYAアーチェリー新製品【SHIBUYA ULTIMA CP PROサイト】が発表されました。
このサイトは、CPXⅡまで搭載されていた基本機能はそのままに、【SHIBUYA ULTIMA RC PROサイト】で採用されたポリゴナルカーボンエクステンションや待望の先端脱着機構が搭載された最上級モデルです。
今回追加機能を紹介したPVを作成していますので是非ご覧ください!

さて、先日長野県で第30回全日本室内アーチェリー選手権が開催され、弊社から河本尚己、坂本貴哉、山本の3名がCP部門に出場してきました。結果は私が秋の全日本ターゲット選手権大会に引き続き準優勝、坂本11位、河本24位という結果でした。苦しい試合展開ではありましたが、個人的に2位になれたことは良かったです。

2大会連続で2位はうれしさもありますが悔しい気持ちもありますので、ターゲットでは1位になれるように頑張っていきたいと思います。弊社スタッフを応援して頂いた方々ありがとうございました。

そんな全日本室内選手権でしたが、今回発表した【SHIBUYA ULTIMA CP PROサイト】を坂本と山本がプロトタイプを使用して出場していました。実をいうと、10月末に開催された全日本ターゲットでも同様に使用していたので、結構前からサイトの存在自体に気付いていた方はいるかもしれませんね。


※写真は全日本ターゲット選手権大会

個人的には、ポリゴナルエクステンションの効果で振動は少なく、大型のノブ強く固定することが出来るので、これまで練習中・試合中にサイトが根本から緩んだことはありません。先端脱着機構も同様に緩むことは無く安心して使用出来ています。また、左右調整幅がCPXⅡと比較すると30%程度拡大しているので、オフセットブラケットを使用せずに多くの弓に対応できるようにもなりました。私はここ数年Mathewsの弓を使用していますが、CPXⅡではオフセットブラケットを使用する必要がありました。今回のCP PROではオフセットブラケットを使用せずにセット出来ているのでこれは非常にうれしいポイントです。

このサイトは、すべてのコンパウンドアーチャーにお勧め出来る商品になっていると思います。ONLINE店では販売開始しており、世田谷店では展示品をご用意しています。是非お試しください。
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【ULTIMA CP PRO 400-6 カーボンサイト】


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2021

02

17 Wed ~レジェンド、デイブ・カズンズ選手のQ&Aライブ その2

世田谷店の種部です。カズンズ選手のQ&Aの第2部では「エイミング」についての疑問に答えてくれています。
 コンパウンドアーチャーの悩みの中でも、1、2位を争うテーマではないでしょうか。もう一つの悩みはリリーサーの切り方だと思いますが、カズンズ選手によるとエイミングとリリーサーの切り方は密接に関係しているようですね。

デイブ・カズンズ選手Q&A その2
Q:エイミングの話題が出たのでお聞きします。カズンズ選手はサイトの動きを小さく抑えようとするタイプですか、それともサイトが浮遊するままにするタイプですか?もし、サイトの動きを抑えようとするタイプだったら、どうやって抑えていますか?
Dave Cousins(以下Dと表記):何よりもまず、私は「潜在意識で狙う」タイプです。「潜在意識で狙う」タイプというのは、サイトの動きを解釈しません。それはどういうことかというと、サイトの動く方向や速さを変えようとしたり、サイトが的のある部分に止まって動かなかったりしても、サイトの動きを変えるために身体を意識的に動かそうとしないということです。私は(サイトを積極的にコントロールしようとして)「身体的に狙う」タイプではなく、潜在意識で狙うタイプなのです。
 私にとってのエイミングの定義は、ただ「眺めること」です。たとえば、今これを見ている人が画面の角を指さそうとしたとします。その人はただ画面の角を見れば、自然に指先がそこをさしているはずです。考えて指を動かす必要はないですよね、「指を上げて、もっと上、左へ動かして、もっと左、速すぎる、ゆっくり、おっと行き過ぎたから戻して…」といった具合にね。実はそれ(指を上げてとか、左にとか考えて動かすこと)が「身体的に狙う」ということです。それをやってしまうと、私の考えでは、「機会の窓」が開いているうちに、迷いのない「普通の射」をするために必要な身体的な作業をやり通すことを妨げてしまうからね。

 私は「潜在意識で狙う」方が簡単(に良い射ができる)と思っています。これは私がずっとやり続けてきたやり方なので、少し偏見も入っているかもしれません。私がいつも教えているコツがあります。それは実際に弓を引き始める前に、まず頭の中に10点に矢が当たる射のサイトピクチャー(狙っている時に的、ドット、スコープ、ピープサイトがどういう風に見えているか)を思い描くことです。まず10点とはどういうものかちゃんと定義すると、あるいは11点でも12点(NFAAなどの試合の満点)でも構いませんが、とにかくあなたが試合で射つ満点は、それは的上のある一つの点ですか?それともある範囲のことですか?簡単な問題ですね。「10点」というのは一定の面積を持つ範囲のことです。
 ということは、矢のシャフトがその範囲のどこかに少しでも触れてさえいれば、あなたが望むスコア(10点)が得られるのです。これが意味するところは、サイトピクチャーの中で何かが動いていても許されるし認められるということです。(サイトが)動いていてもだいじょうぶなのです。
 重要なのは、サイトピクチャーの微妙なずれを修正して、常に中心に戻って行くことなのですが、誰もが目の働きによって、サイトピクチャーのずれが自然に修正されるようになっているのです。たとえば車を運転する時のことを考えてください、道路の片側、車の右側には側溝や歩道、郵便ポストなどの障害物があり、日本とイギリスの人はその反対をイメージしてください、左側にはセンターラインがあり対向車がいます。運転を覚えたての頃には、運転はすごく神経をすり減らす作業だったと思います。道路の真ん中をキープしようとして道路の両側の障害物を意識したり、対向車や先行する車を意識したりして運転を修正していたと思います。しかし、経験を積むと意識しなくても修正できるようになり、ほとんど無意識に車を運転していますよね。
 (エイミングも)タイプを打つことやスマホの文字入力や、靴ひもを結ぶことを習得するのと変わりありません。コーヒーの入ったカップを口に持ってきて一口飲むのもそうですが、みんな無意識の(潜在意識によってコントロールされている)動作なのです。どんな形でもシューティングスポーツをある程度練習した人は、「潜在意識で狙う」ことをみにつけているはずなので、(潜在意識の働きに)身を任せるだけで良いのです。

潜在意識のエイミングは、箸を使ってご飯を食べるのと同じ?


Q:エイミングについてもう一つ質問が来ています。カズンズ選手はエイミング中にリラックスするタイプですか、それとも積極的にテンションをかけていくタイプですか?
D:私は「抵抗する」タイプですね。強い力をかけて射ちに行くタイプと言ってもいいかもしれません。実際にどうやって射っているか詳細を説明する前に、私の頭なのかがどうなっていて、どういう考え方をしているかちょっと話しておいた方が良いでしょう。
私にとっては、(エイミング中)ただ突っ立って何かが起きるのを待って受け身の状態でいるよりも、リリースするまでに何か身体的に行う作業があって、それをやり遂げるという課題がある方が良いのです。それが私の射に対する考え方です。
 その射をするために必要な抵抗する力は、実はドローイングしてアンカーポイントに引手を持ってくるよりも前に身体の中で形成されています。1本の矢を射つ作業を表すメーターがあると思ってください。数値はあくまでイメージで、実際の力の強さを表しているわけではないことを断っておきますね。仮に、射つのに必要な力のレベルがメーターの針が「10」をさすレベルだとします。私の場合、ドローイングしてきて、引手側をローディングして、アンカーに引手が到達する段階で、力のレベルはメーターの針が11か12ぐらいまで振り切れています。実際にリリースする瞬間に必要な力よりも大きな力を身体に蓄積しておきます。これは何をしているかというと、一つは自分の身体にここまで力を入れてい良いという限界を教えるとともに、タイミングと力の「機会の窓」が開いているうちに射ち切るために十分な力が蓄えられていることを確認しているのです。
 アンカーリングして、ピープとスコープを同心円に並べて、スコープを的の中心に下ろしていきます。サイトを下ろし始めた時に、リリーサーに「エンゲージ」します(リリーサーを切る作業に取り掛かること)。あなたが使っているリリーサーがストラップリリーサーでも、親指トリガーでも、ヒンジリリーサーでも、(どこかのタイミングで)リリーサーにエンゲージする…人さし指、親指、手を動かしてリリーサーを切るためのモーションを始めることが必要なのです。これは必ずしも、最後まで指や手でリリーサーを切るということではありませんが、とにかく身体のどこかを動かして、リリーサーを切るためのモーションをスタートさせなければなりませぬ。これは特にヒンジタイプのリリーサーでは重要です。ヒンジリリーサーはハンドルを回転させない限り発射されません。単純明快な原理に基づいて作られているわけです。(リリーサーを切るためのモーションを)身体を積極的に動かしてスタートすることが良いかどうかについては議論の余地がありますが、私にとっては積極的にリリーサーにエンゲージして、リリーサーを切る最初の動作をスタートさせることで射がうまくいくのです。
 リリーサーにエンゲージしたら、ゆっくり(サイトを)的に合わせます。引手のローディングやリリーサーにエンゲージすることは、(サイトが)ゴールドにつくはるか前の段階で始まっているのです。(サイトが)ゴールドについたら、引手側に蓄積された力のうち、リリースに必要な力を示すメーターの10を超える部分が押手へトランジットされ、押手のドライブに使われます。ドライブというのは、ショットエクスキューションの際に押手をゴールドにキープすることです。サイトが的につくはるか前の段階で、テンションをかけて、伸び合いのための力を入れているわけですが、それには理由があるのです。

 多くのアーチャーは、カムが回りきって「ウォール」に当るところまでドローイングしてサイトを的につけます。そしてエイミングしている時には、(サイトが)的の一定の範囲を一定のスピードで動いているはずです。サイトの動きが自分の許容するレベルになったときに、(リリーサーを切るための)必要な何らかの動作を起こすことを決断します。押したり、引いたり、あるいはひねったり、絞ったり、祈ったり、指を突っ込んだり、つま先を床に突き刺したり、息を止めたり…それがどんなものであれ、(身体の一部を)ある位置から別の位置に動かそうとする時、その過程で何が起きると思いますか?弓が動いてしまうのです!
 なぜなら(リリーサーを切るために今までとは違う別の)力が加えられることによって、弓を(ゴールドに)保っていたバランスが崩れるからです。アーチャーが(リリーサーを切るために)新たにテンションをかけることによって、弓を保っていた力のバランスに影響が出たのです。そして多くのアーチャーがこの動きを目にすると、いつもより早く動いている、いつもの範囲より大きく動いているので「おや、このままでは10点に当たらないかもしれない」と考えてリリーサーへのエンゲージ(親指で押す、リリーサーを回す、引手を絞るなどの動き)をスローダウンして(サイトを)合わせ直そうとします。   
 サイトを合わせ直したら、サイトの動きが(想定の範囲内、スピードに)落ち着くのを待たなければなりません。サイトが落ち着いたら、「よし、だいじょうぶだ」と思ってリリーサーへのエンゲージを再開するのですが、そうするとまた弓の動きが大きくなります。また、リリーサーを切りに行くのをやめると、サイトが止まりますが、動いては止まる、動いては止まるということを繰り返すことになります。どうですか、こういうのは身に覚えがありませんか?
 もちろんこのやり方でもうまくいくときもあります。しかし、動いたり止まったりを延々と繰り返して堂々巡りになるおそれがあります。動いたり止まったりを繰り返せば繰り返すほど、「機会の窓」はどんどん狭まっていき、リリースに必要な力がどんどん失われて、狙ったところに当てられる確率は急速に失われていきます。こういうことを防ぐために、私はサイトが的につくよりももっと前の段階で、ローディングしながらテンションをかけた状態で弓の抵抗に対抗しながらリリーサーを切るモーションをスタートさせているのです。このやり方をすることによって、私の身体はリリーサーを切るためのテンションをかけながらサイトの動きを安定させることをマスターしているのです。サイトを的に合わせるよりもはるか前に、リリーサーを切るためのテンションが押手側と引手側に分散されてかかっている状態ができ上っているからです。ここで再度念を押しておきますが、私にはこのやり方が合っているということです。
 押し引きのバランスを重視するもっと受け身の射ち方を否定するわけではありません。その人にそのやり方が合っているのなら良いのです。私がここで説明した方法は、他のどの方法よりも私のようなタイプのターゲットパニックには有効だということです。
 私が経験したタイプのターゲットパニックと言いましたが、今活躍しているトップアーチャーで、競技歴の中で何らかの形でターゲットパニックを経験したことがないアーチャーはいないと思います。私が経験したターゲットパニックは、「何も起きない」タイプで、引手をローディングし、リリーサーにエンゲージし、的に向かって押手をドライブする作業を正しい手順で行わないと、サイトが的の真ん中に下りてきた後、サイトが真ん中よりも下について全てが止まってしまいます。(サイトが)6時とか5時とかのゴールドのラインについて動けなくなります。他のタイプのターゲットパニックとしては、サイトが的の真ん中についた時に射とうとするタイプのアーチャーの場合、サイトが的の真ん中についていないと当たらないということを認識しているので、サイトが良い感じの速さで的の真ん中に来た時に「今なら当たる」と思って射ちに行くのですが、それが「予測」や「びびり」、パンチショットなどにつながるというものです。
 私にとっては、サイトが的につくよりも前にリリーサーを切るための力を使い始めるやり方が合っていると言いましたが、それは私のアーチェリーのルーツとも関係があります。私はオリンピックスタイルのリカーブボウでアーチェリーを始めたのですが、リカーブボウでは常に弓の反発力に対抗していなければならないですよね。動きを止めたり、動かしたりしていたら、身動き取れなくなり、的を狙うどころではなくなりますからね。

今回はこの辺で。次回はリカーブからコンパウンドへ転向する際の注意点について解説してくれます。コンパウンドへの転向を考えているリカーブアーチャーの皆さん必見です。


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2021

02

12 Fri 第30回全日本室内ターゲット選手権に参加します!

みなさんこんにちは!

世田谷店河本です

明日から第30回全日本室内アーチェリー選手権が行われます!
今回の会場は長野県長野市にあるホワイトリンク!
今大会は感染症蔓延防止措置のため、人数を絞って行うため、ランキングラウンドのみでの実施です。

2月13日 ①CP 男女
    ②RC 男子
2月14日 ①RC 女子
といった形のスケジュールです!

渋谷アーチェリーからは
営業課 山本悠太 CP男子
小売係 河本尚己 CP男子
物流係 坂本貴哉 CP男子
の三名で参加します!

応援のほど宜しくお願いいたします。


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2021

02

10 Wed ~レジェンド、デイブ・カズンズ選手のQ&Aライブ その1

世田谷店の種部です。好評だったYOU TUBEのQ&Aですが、今回のゲストは「本物のGOAT*」と他のトップアーチャーから称されるくらいのトップアーチャー、デイブ・カズンズ選手です。1999年にアウトドアターゲット世界選手権初出場で優勝という華々しいデビューを飾って以来、アウトドアだけでなくフィールド、インドア、3Dなどあらゆる競技で世界タイトルを手中に収めてきたコンパウンドアーチェリーのレジェンドですね。個人的にはデイブ・カズンズ選手は私のコンパウンドの師匠と言っても良い存在で、ベガスシュートやその他の国際大会で会う度にコンパウンドについていろいろ教えてもらいました。初めて話をしたのは2000年のベガスシュートで、雑誌アーチェリーの記事を書く関係でインタビューしたのがきっかけでした。その当時から、目標は「レジェンドになること」と言っていたのを覚えています。前置きはこのくらいにして、さっそくQ&Aの内容をお伝えしていきましょう。
*the Greatest Of All Timeの頭文字を取った略語。史上最高の選手

デイブ・カズンズ選手Q&A その1
Q:今回はコンパウンドアーチェリーのレジェンド、デイブ・カズンズ選手をお招きしてお送りします。紹介の必要はないと思いますが、簡単に自己紹介と主な戦績の紹介をお願いします。
Dave Cousins(以下Dと表記):デイブ・カズンズです。フルタイムのプロフェッショナル・アーチャーになって今年で25年になります。1998年以降、何度もアメリカ代表になっていって、今までに30以上の世界記録を射ち、17の世界タイトルを取っています。ベガスシュートも複数回優勝しています。初めて射った世界記録は、確か1999年で18mインドアラウンドだったけど、その記録は17年間くらい破られなかったね。20年以上破られていない記録もあります。
 フルタイムのプロアーチャーである以外に、メーカーの製品開発のアドバイス、テストや評価をしたりするコンサルティングもやっていて、アーチェリー関連以外のアウトドア用品メーカーにも関わっています。趣味としてボウハンティングを少々と、釣りをたくさんたしなみます。実はフィッシングガイドの資格も持っています。

Q:それでは質問に移ります。まず現在使用している弓具について教えてください。弓だけでなくリリーサーやスタビライザーなどもお願いします。
D:弓は、今のところPSEスープラフォーカスXL-LDとPSEサイテーション40の二つを並行して使っています。サイテーションもスープラフォーカスXL-LDと同じエボルブカムシステムを搭載していて、どちらも引き尺は31-1/4インチでピークウエイトは60ポンドです。インドアもアウトドアも同じセッティングで射ちます。

スタビライザーはコンクエストアーチェリーのスマックダウンスタビライザーの625で同じコンクエストアーチェリー製のオフセットブラケットを使用しています。

アローレストはハムスキーに「デイブ・カズンズ・シグネチャーモデル」のベストランチャーを使用。アローレストにはハムスキーのオーバードローマウントをつけています。

ストリングはファーストストリングのX-ITワイヤーのマグナムタイプ。

矢は、イーストンの2315(X23)と2712(X27)、そしてプロツアーの380番を使用しています。(この3つで)WAのインドアからNFAAのインドア、アウトドアターゲットとフィールドまで、だいたい全ての試合をカバーできます。(インドア用もアウトドア用も)全てベインはガスプロで、(インドアの矢には)ガスプロの「デイブ・カズンズ・シグネチャーシリーズ」の2.8インチベイン、アウトドアの矢には「デイブ・カズンズ・シグネチャーシリーズ」の2インチのパラボリックベインを使用しています。
 ベインの色はグリーンと決めています。グリーンを使う理由はアウトドア、インドア、フィールドとシチュエーションを問わず、目立つからです。

サイトはシブヤのアルティマCPX2、スコープはシブヤの新製品オクルススコープです。

リリーサーはカーター・ジャストカズ、ジャストビーカズそれからヒンジタイプのトータルコントロールを使用しています。

Q:弓のスペックをもう少し詳しく聞かせてください。
D:今はスープラフォーカスもサイテーションも引き尺は31-1/4インチ、AMO規格で(現在はATA規格ですね)射っています。先ほど60ポンドと言いましたが、(正確には)57~58ポンドで引いています。WAの大会のために(60ポンドより)少し低めに設定しています。というのも、普段使っているボウスケールと(大会で使用するボウスケールが)同じキャリブレーション(目盛補正)とは限らないからね。ドローウエイトを直さなければならいとなったら、ホールディングウエイトも変わるし、そんな最悪な事態は避けたいよね。
 だから意図的に60ポンドより少し低めになるようにセットして、そのままにしています。世界を半周してWAの大会にはるばるやってきて、60ポンドぎりぎりに設定していた弓が弓具検査で60.1とか60.2ポンドと計測されるなんて目には会いたくないからね。
 ホールディングウエイトについては、ボウスケールで単純に計った時には、ヒステリシス込みで、それはケーブルシステムやベアリング、ケーブルガードなどの摩擦抵抗なども加味されてということなんだけど、だいたい18ポンド。ただし、実際に射とうとして引いた時、ドローイングして、引手をアンカーポイントに引き付けて、次にリリーサーにエンゲージして押手を的に向かって伸ばした時には(ホールディングウエイトはもっと上がって)、リリーサーが切れた時点では、20~21ポンドくらいになっていると思う。

Q:ところで、今いるところはどこですか?アーチェリーショップみたいですが、セミナーのためですか?
D:そう、2週間にわたるセミナーツアーの最終日です。先週はオクラホマ州ムスタングにあるワートーン・アーチェリーというショップで地元のアーチャーを対象にコーチングクリニックと講義を行い、そのあとちょっと東海岸の北にあるメイン州の自宅に戻って雪かきをして、オレゴン州のラ・グランドに来ています。オレゴン州の東側の町でポートランドから車で4、5時間のところにあります。今回の参加者はほとんどがリクリエーションとしてアーチェリーをやっているクラブのメンバーで、そこに競技志向の全国レベルのアーチャーや若い世代のアーチャーが数名いて、男性も女性も良い感じの割合でしたね。
 セミナーの内容は、そうだね(アーチェリーに関する)ほとんど全てのことをカバーします。「消火栓から水を飲む」ように、この2日分に学ぶアーチェリーに関する知識は、みんなが知りたいと思っているフォームや考え方などあらゆることが詰まっていて、(2日間では)消化しきれないくらいの内容じゃないかな。
セミナーの1日目は、アーチェリーの弓具チューニングの技術面の基礎知識について学びます。内容的には、箱から出したばかりの弓を試合で使える状態にするところまでに行う全ての作業について…矢の選び方、初期チューニング、スタビライザーのバランスからトルクチューニングまで、できるだけ多くのことを1日でカバーします。
 そして、これらの内容をただ座学として講習するだけではなく、実際に参加者全員の弓具の端から端まで直接指導します。参加者の弓をチェックして、カムタイミングの最適化、センターショット、ペーパーチューニング、ベアシャフトチューニングからトルクチューニング、スタビライザーのセッティングを変えるところまでやって、弓をその人にとって最も合った状態に持って行きます。そこまでできたら、今度は射ち手の能力や技術面に取り組む番です。それが2日目の内容になります。
2日目の内容は、私の射ち方がどういう風に成り立っているのか細部に至るまで解説していきます。そして、どうやってそういう射ち方を築き上げたのか、その背後にある考え方やこの方法がシンプルで再現しやすいため実際の試合のプレッシャーやストレスがかかる場面でも使えると信頼できる理由についてもカバーします。地元のレンジや自分の家の裏庭で射つと、どんなやり方でもたいていうまくいくものだけど、試合のプレッシャーの洗礼を受けた時にはそうはいかない。
 射ち方を生体力学的に(身体の)どこをどう動かしているか、どうやって再現しているかを説明していきますが、この話をするときには、メンタル面の働き…「プレショット・ルーティンをどう組み立てるか、そのプレショット・ルーティンをどう管理するか」ということと、「どうやって(自分の射を)自己診断するか…何がうまくいっていて何を改善する必要があるかを判断するか」というテーマが話の背後に常につきまとっています。

PHOTO COURTECY OF WORLD ARCHERY


Q:(メンタル面の話がでたところで)プレッシャーがかかって緊張した時の対処法についての質問が来ているので、もし簡単ですぐに効果が出るようなプレッシャーへの対処法みたいなものがあれば教えてください。
D:そうだね。その前に知っておいてほしいのですが、トップクラスのレベルになってもプレッシャーから逃れることはできないんだ。トップクラスの選手は、(経験から)ほんの少しだけ対応の仕方がうまくなって、(プレッシャーに)対処できることもあるというだけのこと。
 私がおすすめする対処法のまず一つ目は、試合で経験する感情を呼び起こすような環境で練習することです。いつでも好きな時に試合に行けるわけではないので、難しいと思うかもしれませんが、地元の射場やショップ、自宅の裏庭などどこであっても、ひとりで練習する場合でも、私は常に自分が過去に経験した試合の場所や勝負がかかった場面を頭の中に思い描いて練習することができます。
 この質問をしたということは、このアーチャーは試合でプレッシャーがかかる経験をしたということだと思います。その時の場面を思い出して頭の中で再現して練習するのです。そしてさらに、試合の場面を想定して練習する際には、一射一射をどう射つか、「作戦」を考えて射つことが試合のプレッシャーに対処するのに役立ちます。まず目標は何か?わたしの矢がXリングの真ん中に刺さること。そしてそれを達成するために必要ないくつかの鍵となる要素ついて考えます。例えばサイトの見え方とかドットが的の一定の範囲で一定のリズムで動いていることとか。一方で身体的な要素としては、弓を引いてくるときに引手側に力を蓄えること、リリーサーにエンゲージすること押手を的に伸ばすこと、ピープとスコープを合わせることなどがあげられます。これこそがあなたが1本の矢をどう射つかの「台本」なのです。
 試合だけでなく、むしろ練習の時こそ、一射一射この台本を通りに射とうと考えて、実際にやることが大切なのです。(シチュエーションを想定して「台本」通りに射つ練習は)メンタル面で非常に多くの作業が要求されるので簡単なことではありませんが、これをやることによって不安や緊張、プレッシャー、ストレスなど心理的に追い込まれるシチュエーションに遭遇した時に、その状況に見覚えがあるように感じるはずです。今状況は前に経験したことがあると感じることによって、そこから成功する道に進むか失敗する道に進むか自分の意志で選択することができるようになります。失敗する道をえらぶということは、これまで練習してきたことを顧みず、アドレナリン(興奮)や緊張、プレッシャーに飲み込まれてしまうことです。成功への道を選ぶということは、舞い上がっていることを認め、普段通りに射つことが難しいと感じていることを認めると同時に作戦を立てるのです。完ぺきにこなせないかもしれないとわかっていても、プレショット・ルーティンをひとつひとつ実行するために最大限努力することはできます。
 私は「普通の射」をすれば、常に10点に当たります。しかし、(プレショット・ルーティンの)何かを飛ばしたり、いつも段より早いリズムで引いたり、楽をしようとしたりといったように、いつもと違うことを選択すると失敗し、10点には当たりません。逆に自分が普段できている「普通の射」をすることで、自分が望む結果が得られる可能性が非常に高いということなのです。その際、意識集中させる対象は(目的を達成するための)プロセスであるべきで、結果ではありません。
 アーチャーは誰もが結果によってもたらされる代償がなにかわかっています。トロフィーであったり賞金の小切手であったり、世界記録、ベルトバックル(訳注:ベガスシュートで900点満点を射つともらえる特製のベルトバックルのことか)、自己ベスト、リーグで優勝することとかどんなレベルのものであっても、プロセスに意識を集中しないと結果はついてこないのです。

 今回はここまで。次回のテーマはエイミングとショットエクスキューションについてカバーする予定です。かなり具体的で実践的な内容になっているのでお楽しみに。


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