~対談ブログその1~

みなさん こんにちは
渋谷アーチェリーの山本です。
先月、ブログにて対談を実施したとUPしていましたが、本日以降対談内容を数日に分けてUPしていきます。
是非これからの考え方等に参考にしてもらえれば幸いです。
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対談について:アーチェリー おける練習方法は、各地域ごとにそれぞれの考え方で指導・育成が行われていることが多く、指導者不在等で正しい情報がいきわたっていないことも少なくない。その結果、上達スピードがついてこないことでアーチェリーの面白さを理解出来ないまま、辞めてしまう選手もたくさん目にしてきました。この情報差を少しでも埋めれるように、選手としての経験・指導者としての経験をもった坂野さん、熱田さんにそれぞれの段階で必要な練習方法・考え方とは何かを聞いてみました。
【対談内容】
山本:それでは、それぞれの経験から教えてもらえますか?
坂野:中学生でアーチェリー初めた時は部活だった。基本的には部のメンバーと一緒に練習する。最初はランニング、筋トレがメイン。ゴム引きで形を作って、ある程度射型ができたら弓を使って素引きをします。
山本:実際の弓を使うのはどのようなタイミングで使い始める?
坂野:弓を使うタイミングはみんな揃った印象だった。練習開始からそんなに遅くなかったかな。
熱田:ゴム弾きの期間はどのくらい?
坂野:夏頃には弓を射っていたから、1ヶ月くらい?記憶は曖昧だけど…笑  夏に間に合わせるような感じで進めていた。筋トレが嫌いだったけど、フォームの練習はしっかり取り組んでた。部活に選抜大会優勝したことある先輩がいて、フォーム褒められたのは覚えている。
山本:先輩以外に教えてくれる人はいた?
坂野:顧問はいたけれど、常時滞在するコーチはいなかった。試合の時に地域の協会の人が教えてくれることはある。
山本:基礎練習ってどれくらいの期間取り組んでいましたか?中高一貫の学校って基礎をしっかりやってる印象なんですけど、坂野さんはどんな感じ?
坂野:中学校一年冬までは学校からの借りた弓を使用していたから、ずっと20ポンドくらいで、距離も打ったとしても18メートル。クリッカーもつけていなかった。
山本:試合出てたりするけど、無理にポンド上げたりしていないし、基礎の要素は残ってますね。
私は高校からスタートしたけど、最初は筋トレ、ゴム引き、木の弓で素引き。実際に打つのは自分の弓が届いてから。弓を購入して良いのは、素引き用弓で1分ホールディング出来たら。
6月くらいには弓頼んでたかな?7月には18mを打ち始めてたと思う。
それ以降段階的に基準が設定されていて、18m300点出たら30m。30mで300点でクリッカー。600点超えるとカーボン矢。
個人的には結構順調に基準をクリアしていたけど、振り返ってみると引き尺短かった(矢尺26インチ程度)のが結果良かったのかなと考えている。
正直実質ポンドはそんなに出てなかったと思う。結果として基礎を作るタイミングで負担の低い弓になってたのかな。
熱田さんは大学スタートだけど、大学の部活動はどのような感じでした?
熱田:山本さんの高校での流れと同じような感じです。
部活に入って、最初はゴム引き初めて、ハンドルが自分の物になったのが5月中頃。22ポンドのレンタルリムつけて、夏合宿には36ポンドのリム買っていた。
30m300点出るか出ないでクリッカーつけようかという感じ。インドアまではサイドロッドとかつけないで、クリッカーだけつける方針だっけど、点数が出てきたから僕はサイドロッドも途中でつけた。
山本:中学校、高校、大学スタートの経験をそれぞれ話したけど、三人とも常駐する指導者は居なかったようですね。
最近は坂野さんや熱田さんも含めて、身近な年齢でも指導者として活動する人が増えてきた印象だけど、
当時、決まった指導者がいない状況でどうやって情報集めていたのか、これまでの経験でよかったまたは悪かった練習方法など教えてください。
坂野:アンカーをしっかりつけるとか基礎的な部分は教えてもらってたから、そこを自分なりに守っていた。初めて弓を打った時に5mくらいだったけど、打った矢が全部右上に外れていた。逆方向を狙えば黄色はいるんじゃないかと考えて試してみたら全部真ん中に当たった。自分で感じて、考えて修正して、上手くいった事がとても印象に残っている。打ちながら、分析して修正するという自分の打ち方を直していくサイクルが良かったのだと思う。
熱田:日本人の選手は何か確立したものがあるわけではなく、自分等でやりながら、自分の軸からズレたから戻る。新しい知識をいれて軸を太くして新しい打ち方にしていくという流れが多いように感じます。
自分にはそれが出来なかった。色々知識を取り入れたが何が正解が分からなかった。本(インサイドアーチャー)やYouTubeに上がっている動画を参考にしていたけれど、真似をしていくと結果でなくなった。
山本:何か目指すべきものがあると上手くいきそうですけど。
熱田:毎日やりたいことが変わってしまったんです。
山本:目指すべきものが沢山あったんですね・・・。
熱田:迷子でした。何が正しい知識なのか判断することが出来ていなかったんです。なので一つに絞って学ぼうと考えてリー・キーシクさんのいるアメリカにいくことにしました。
坂野:真似をするのはいいと思うけど、真似するだけだと、自分の打ち方にならない。自分の思い描いてる打ち方を模写してるだけになる。形と感覚が繋がらないからズレた時にわからなくなるんだよね。
山本:何のためにその打ち方にするかっていうのは、目的と一致してたらいいけど、とりあえずカッコいいから真似をするというのはやめたほうがいいでしょうね。
自分が足りてないと感じる技術に対して、足りてる人を目指して練習していると過剰になるときがある。バランスが大事だけれど、やり過ぎに気付けない。個人的にも経験があるけど、高校生の頃、先輩のリリースを参考にしていたが、何でそれがいいのか考えていなかった。その技術に対して正しい理解していれば別だったけど、最終的には意識し過ぎて極端な形になってしまった。
熱田:でも選手はそれで良いと思う。
坂野:そこのバランスを指摘するのは、間違いなく指導者の役割だよね。
〜〜〜〜次回【指導者の重要性について】へ続く〜〜〜〜〜

【対談参加者】
参加者①
氏名:坂野太一
所属:日本体育大学アーチェリー部コーチ

【略歴】
2002年:愛知県岡崎市立東海中学校でリカーブアーチェリーを始める
2005年:愛知産業大学三河高等学校入学
高校時代 選抜、インターハイ、国体優勝
2008年:日本体育大学入学
大学時代 インカレ、王座、全日本選手権、世界学生大会優勝
2012年:日本体育大学大学院入学 コーチング学修士
2014年:自衛隊体育学校入隊
2017年:日本体育大学コーチ就任
2018年:コンパウンドアーチェリーを始める
全日本選手権コンパウンド部門優勝
2020年:ベアボウアーチェリーを始める
2021年:ベアボウ日本記録樹立

参加者②
氏名:熱田雅也

【略歴】
2013年:駒澤大学にてアーチェリー開始
2015年:運動生理学とスポーツ心理学を学ぶため渡米
2017年:リーキーシクのセミナーへ参加。アメリカナショナルトレーニングコーチング資格を獲得。
2018年:リーキーシクが指導するKSLショットサイクルを利用して西海岸選手権3位、同年アメリカ版インカレにて2位を獲得。
2019年:KSLインターナショナルコーチコーチング資格を獲得

参加者③
氏名:山本悠太
所属:渋谷アーチェリー株式会社

【略歴】
2005年:兵庫県舞子高等学校でアーチェリー(リカーブ種目)を始める
2007年:インターハイ予選ラウンドで日本高校記録(70mW659点※当時)樹立
2008年:日本体育大学入学
2011年:国民体育大会 成年の部 個人 優勝
2012年:渋谷アーチェリー株式会社入社
2013年:コンパウンド種目へ転向
2013年、2015年、2017年:世界ターゲット選手権大会出場(コンパウンド種目)
コンパウンド部門日本記録複数回樹立(コンパウンド50mラウンド等)