こんにちは。世田谷店の種部です。
最近は日本でも若くて革新的なアイデアを持ったアクセサリーメーカーが出て来ていますが、ジョージア工科大の学生が始めたウルトラビューはその草分け的存在かもしれません。ウルトラビューの最新モデル、UV3スコープは、競技に必要なものが全てセットになっている至れり尽くせりなハイエンドモデルです。まぁ、至れり尽くせり過ぎて、国内の公認試合やWAの試合では使用できない機能満載ですが…
UV3スコープはアルミニウム削り出しの本体と、レンズカートリッジ、ライトキットの3つのパートで構成されています。何と言っても、ライトキットがウルトラビューの一番の特徴ですが、今度のライトキットは5個のLEDライトが内蔵されていて、これまでにない機能を備えています。
電源ボタンを押すと、レンズ面とスコープの縁のホワイトリングをそれぞれ2個のLEDライトが照らします。ドット(ファイバーピンでなくても、蛍光カラーのドットシールなら何でも)が照らされて光ると同時に、エッジマスク的なホワイトリングも照らされて光るので、光量が少ないシチュエーションでも、ピープとスコープハウジングのアラインメントが見やすくなります。もちろん光量調節ボタンで明るさを調節できるので、状況に応じて最適な明るさのサイトピクチャーを演出できるようになります。
照明が暗いインドアの試合やコースレイアウ トによってシューティングライン(シューティングポスト)とターゲットの明るさが変わるフィールド競技や3D競技では大きなアドバンテージとなります。
あ、ちなみにこの機能はWAの試合や国内の全日本アーチェリー連盟公認試合では、電気的な装置の使用が禁止されているので使用できませんのでご注意ください。アメリカでは3DやNFAA(全米フィールドアーチェリー協会)主催の試合では電気・電子装置の使用が許されているので、LEDライトはごく普通に使用されています。
世界最大級のインドアトーナメントのベガスシュートでも、良く見かける装備ですね。私も、ベガスシュートではオクルススコープにLEDライトを付けて試合に出ました。日本でも練習で使うのは問題ないので、夜間の練習で使ってみるのも面白いと思います。
もうひとつの特徴は、レンズ面とスコープロッドの位置が同じなので、万が一シューティング中に緩んでスコープが傾いても、ドットの位置が上下にずれないので的中位置が変化しにくいというもの。スコープの傾きによるミスショットというのは、アクセルや初期のシュアロックのような、ドラムバレル(円筒形)のスコープロッドホルダーを採用しているサイトでは、割りと起こりがちなトラブルのひとつなのです。これについては、アーチェリー界の人気ユーチューバー、クリス・ビー選手が面白い動画を上げているのでそちらもチェックしてみてください。
UV3スコープにはWAの試合で使用するためにライトキットの代わりに取り付けるWAキャップというパーツも同梱されています。レンズカートリッジには光ファイバーを通すためのチュービング加工が施されているので、長めの光ファイバーをセットして集光することができます。スコープハウジングに明かり取りのポート開いていないため、光ファイバーやライトキットがないとちょっと暗めかもしれません。
レンズカートリッジやライトキットは着脱したと時に再現性が保たれるよう面取りされており、サイトが変わる心配はなさそうです。倍率の違うレンズをセットしたカートリッジを用意しておいてフィールド競技とターゲット競技で使い分けたり、なんていうことが手軽にできそうですね。
日本向けの商品ではないかもしれませんが、ベガスシュートや3D競技にトライしてみたいという方には良いと思います。