≪連載≫シューター島田のターゲットパニック講座 No.8

【続き】

本中がオリンピックで盛り上がっている中、シューター島田は練習を2ヶ月やめることにしました。そして、「全日本選手権も出場を止めよう」そう思っていた時、またもニュースが舞い込んできます。


それは、2012年の全日本選手権がワールドゲームズ枠取り試合へ行く選手の選考になる、というのです。シューター島田は決意します。


代表選手になってやろう、と。

そして、ここからTPの克服練習が始まります。

まず、トリガーレスリリーサー(SCOTT LONGHORN HUNTER)を使い練習しました。このスコットのロングホーンハンターは、リストがついたトリガーレスリリーサーです(ロングホーンヘックスではない)。
島田の不安は、リリーサーをリリースしてしまうんではないか?という恐怖から、リリーサーを握りこんでしまう状態になるため、リストによって繋がっていることによる安心を得ました。
これで、リリーサーを握りこみ、結果パンチショットになるという状況を打破しました。

次に、リリーサーの切り方を変更しました。
今まではリリーサーの回転する方向を意識するあまり、自ら回してしまっていました。
それを、切れる方向に“真っ直ぐ”伸びる(攻めずに、待つ)伸び合いで射つようにしました。その結果、エイミングの時間が長くなり、ホールディングの体力もつきました。
そして、サイトスコープを大幅に変更しました。今までは「TPには倍率を低くして、ドットを大きく」と言われていたので、その通りに2倍や1倍のレンズを試していました。
しかし、逆に8倍のレンズにしてみました。
そしてドットを一番小さなドットにしました。(大きなフレームのCRスコープ35mmのスコープハウジングにしました)
この作戦が功を奏します。
今までは、大きなドットが少しでも下に動くと(簡単に黄色から赤に下がる)、不安になって真ん中にドットをつけることができなくなり、下に打ち込んでしまっていました。

しかし、逆に倍率を上げ、的の黄色を大きくし、小さなドットをその中で泳がせることで、安定し、安心した気持ちでエイミングができるようになりました。

一週間は公共の射場に行ってシューティングラインに入り、矢をつがえ、ドローイングし、エイミングを15秒したら引き戻す、を6回繰り返すという練習をしていました。

傍から見たら、
「なんでこの人、金払って射場に来て、一本も射たないんだ??」
と思われたことでしょう。

その結果、しっかり長いエイミングをすることができるようになったのです。

そして1ヶ月半後、努力が報われます。


≪次回、シューター島田編いよいよ最終回?≫