2015年度アーチェリー世界選手権inコペンハーゲン

皆様こんにちは、海外営業担当のフィリップです。
ONLINEのブログで選手として参加している山本による速報をご覧になった方も多いかと思いますが、デンマーク・コペンハーゲンで行われたアーチェリー世界選手権について書かせていただきたいと思います。
95ヶ国から627人もの選手が参加し、史上最大の大会とのことです。日本からはRC男女の団体と、CP男女一名ずつが出場しました。
その日本選手団の成績といえば
女子団体と男子個人(古川選手)の2016オリンピック出場枠を獲得しました!
その他、 女子団体が4位、古川選手が銅メダルを獲得。
今大会は予選からあらゆるハプニングが起こり、本当に「荒れた」としか言えません…
まずは予選の天気、強風に雨、時には雹が降り、大変なコンディションでした。
上手く対応できた選手、できなかった選手でかなりギャップが開きました。

そしてもう一つの予選のハプニングはレオ・ワイルド選手のスコアの採点ミス。
349 -342=691と5位の得点をマークしましたが、記録者のミスにより後半の記録が242となっていました。
アメリカの競技団体からジャッジに意義申し立てしましたが、間違っていたスコアカードにはワイルド選手のサインがあったため、却下されました。ワイルド選手の点数が591点となり、順位が115位に決定しました。その結果、ワイルド選手も、アメリカCP男子団体も予選落ちとなってしまいました。
実際のスコアカードは確認できていませんが、3の書き方のせいで2に見えただけという噂もあったり、ルールの改定が必要ではとの議論にもなっています。
改めて、選手がスコアカードをしっかり確認する重要性が実証された ハプニングでした。
決勝トーナメントの様子
RC男子(個人)
決勝Tの初日は相変わらず激しい変わり目の天候に苦しめられる選手が多かったようです。ロンドンオリンピックの金メダリストのオー・ジンヘック選手は1回戦でカザフスタンのムサエフ選手(予選102位)に敗れ、「強風に対応できなかった」との愚痴を漏らしました。
一方、予選51位で今まで目立った成績を残したことの無いベネズエラのマラーヴェ選手が韓国のクー・ボンチャン選手などをくだし 、準決勝まで続く奮闘を見せました。準決勝では韓国のキム・ウージン選手(2011年世界チャンピオン)を相手に4-6と惜しくも敗退し、3位決定戦で古川選手と対戦することになりました。5-5でシュートオフにまで持ち込みましたが、古川選手が10点を決め勝利を掴みました。「経験の勝ち」と言っても過言ではないと思いますが、将来が明るそうな選手です。

結果 (敬称略)
1位 キム・ウージン 韓国
2位 リック・ファンデルヴェン オランダ

3位 古川高晴 日本
57位 岩田歩 (予選 643点/ 31位)
57位 鬼山直也 日本 (633点 / 69位)


団体
日本男子団体は残念ながら1回戦で中国に敗れ敗退。オリンピック出場枠を逃してしまいました。
決勝戦では韓国とイタリアが対戦、韓国の6-0ストレート勝ちとなりました。
1位 韓国
2位 イタリア
3位 チャイニーズ・台北 (台湾)

9位 日本 (予選 1932点 /10位)
RC女子(個人)
女子ではやはり、久々に世界の舞台に復帰したキ・ボーベ選手が注目されました。その人気を裏切らず、予選では665と高得点をマークしましたが、台湾のリン・シーチア選手(漢字表記不明)が更にそれを上回る667点を出しました。そして決勝Tを通してもこの二人の選手が圧倒的な強さを見せ、決勝戦で対戦することとなりました。
日本選手団のトップは12位の川中選手でしたが、4回戦でメキシコのアレハンドラ・バレンシア選手にシュートオフで敗退しました。

結果 (敬称略)
1位 キ・ボーベ 韓国
2位  リン・シーチア チャイニーズ・台北 (台湾)
3位 チョイ・ミスン 韓国

9位 川中香緒里 日本 (予選 653点 / 12位)
33位 林勇気 日本 (予選 631点 / 47位)
33位 永峰沙織 日本 (予選 638点 / 32位)


団体
日本女子は1回戦で北朝鮮を下しオリンピック出場枠(団体、個人3名分)を獲得!その後、中国に6-0で勝ち準決勝進出を決めましたが、シュートオフで27-30とインドに敗れました。3位決定戦では韓国との対戦になりましたが、残念ながら5-1で敗退しました。なお、準決勝は両方、決勝もシュートオフの末に決まりました。
1位 ロシア
2位 インド
3位 韓国

4位 日本

オリンピック出場を決めた日本女子。

CP男子(個人)
地元デンマークでの開催もあって、今最も勢いのある選手と言っても過言ではないステファン・ハンセンが注目の的。しかし予選は13位、1位はインドのアビシェク選手。700点を超えるスコアは誰もマーク出来ていないことからもコンディションの厳しさが伝わりますね…
トーナメントではピーター・エルジンガー選手とマイク・シュルッサー選手が3回戦当たってしまったり、マーティン・ダムズボー選手が3回戦でイランの選手に敗れたりして、次々と優勝候補が早い段階で敗退しました。ただし、ハンセン選手は無事決勝へと進み、3回戦で予選3位のブレイデン・ゲレンティーン選手を下したインドのチャウハン選手と対戦することになりました。
因みに日本の山本悠太選手は予選63位、トーナメント1回戦ではベネズエラのゴンザレス選手に勝利し2回戦に進出しましたが、ロシアのダンバエフ選手に144-134で敗れました。

結果 (敬称略)
1位 ステファン・ハンセン デンマーク
2位 ラジャット・チャウハン インド
3位 アダム・レイベンズクロフト イギリス

33位 山本悠太 日本 (予選 63位/668点)

団体
優勝候補のアメリカはレオ・ワイルド選手の得点ミスで予選落ちとなってしまいました。他にはデンマークやオランダが注目されましたが、決勝戦はイラン対カナダに決まりました。226-226で激戦となりシュートオフでイランが初の世界タイトルを獲得しました。
1位 イラン
2位  カナダ
3位 デンマーク


初優勝を喜ぶイランチーム

CP女子(個人)
予選ではサラ・ロペス選手が男子の1位よりも高い698点をマーク。デンマークのイェントセン選手が691点で2位にランクインし地元メディアの注目を浴びましたが、4回戦でロシアのアブデーバ選手に敗退。決勝戦は準決勝でロペス選手を1点で下したアメリカゴーヴィン選手対韓国のキム・ユンヒ-選手となりました。
日本の本多選手は653点で64位、山本選手と同様に1回戦を突破しましたが、2回戦で韓国のチョイ・ボミン選手に敗れ敗退。因みに1回戦のスコアは両者とも139点と高得点をマークしました。

結果 (敬称略)
1位 キム・ユンヒ- 韓国
2位 クリスタル・ゴーヴィン アメリカ
3位 サラ・ロペス コロンビア

33位 本多由美子 日本 (予選 653点 / 64位)

団体
優勝候補のコロンビアが1回戦で敗退。その相手のウクライナチームが圧倒的な強さでデンマーク、ベネズエラ、オランダを破り優勝!アメリカチームは1回戦で無事ドイツを下したあと、ベネズエラに敗れ敗退。
1位 ウクライナ
2位 オランダ
3位 韓国


予選と違って、決勝戦は天候も良くなり、見応え充分な大会となりました。観客席も満員とのことで、2015年度世界選手権が無事閉幕。
次のメジャー大会は来週、8月11日~のワールドカップ・ポーランド大会。選手も忙しいですね…