こんにちは。
SHIBUYAアーチェリーONLINEの富田です。
【アーチェリーをはじめよう!】、今回は『スタビライザーについて』です。
一般的な弓矢のイメージとして、映画などで見掛ける本体のみのシンプルな構造の弓に矢を番えて射つ、というものを想像しますよね。私もアーチェリーを始めた頃はどうしてあんなに色々付けているんだろうと疑問に思いました。そんな中でも一番目に留まったのはスタビライザーです。
※引用元:World Archery
スタビライザーを付ける理由の一つに、弓の平行バランスを安定させるため、というものがあります。センタースタビライザー、サイドロッド、エクステンダーを取付け、ハンドルから離れた部分に重心を分散させることで、より安定しエイミング(的を狙う)をすることができるようになります。まずは、各スタビライザーの長短による基本的な考え方をご案内いたします。
【センタースタビライザー】
●長い:前重心になるため矢の飛び出し重視のセッティング。
●短い:後重心になるため弓の安定感重視のセッティング。
【サイドロッド】
●長い:
ウエイト位置が外側になり重く感じるが、外側に重さが行くことでエイミング中の弓の安定感が増すと考えられる。
また、ウエイト位置が手前側になり後重心になるため、矢の飛び出しが落ちることが考えられる。
●短い:
ウエイト位置が内側に行くことでエイミング中の弓の安定感が減ることが考えられるが、内側になることで軽く感じ、弓の取り回しはしやすくなる傾向にある。
また、ウエイト位置が的側になるため前重心になることが考えられる。
【エクステンダー】
●長い:Vバーより先の部分が前に出るため前重心になり、矢の飛び出し重視のセッティング。
●短い:後重心になり、弓の安定感重視のセッティング。
上記の通り、長くすることで安定感や飛び出しを増すことは出来ますが、重心が外側になる分重く感じ体力的な負担が増えるとも考えられます。まずは長い行射でも同じように射ち続けることが最優先になるので、最初はセンターは26インチか28インチ、サイドロッドは10インチか11インチ、エクステンダーは4インチか5インチを選ぶのが一般的になります。その後、体力が付きセッティングの好みが分かって来たら、各スタビライザーの長さを変える、ウエイトの重さを変える等、変更をしていく流れとなります。
※弓のセッティングは、選手の好みやご指導者様の意向等があるため、あくまでもご参考程度でお考えください。
スタビライザーを取り付ける理由のもう一つに、行射時の振動吸収があります。ダンパーだけではなく、スタビライザー自体にも、素材を変えるなど振動吸収のための工夫が散りばめられています。今年発売になった【ULTIMA MZS センタースタビライザー】を例に挙げると、パイプのカーボン層に振動吸収材を織り込むことで、高剛性を維持しながら高い振動減衰性を併せ持った構造になっていて、さらに最近の流行りの細めな形状をしているのが特徴になります。
振動吸収性能を上げるための代表的な例としては高剛性がありますが、ただ『硬い=振動吸収性が高い』かと言うと、一概には言えません。例えばコンパウンド用のスタビライザーは、高いポンド、重いウエイトでの使用が想定されているため硬いものが多い傾向にあります。しかし、ポンドやセッティングにより振動の波が異なるため、低ポンドのリカーブで同じスタビライザーを使った場合、振動吸収性能を発揮できない可能性があるからです。スタビライザーの性能と共にポンドやセッティングによっても振動吸収の感覚が異なってくるということですね。
また、最近は、アーチェリーのメインとなるアウトドアの環境でも風の影響を受けにくいため、細いモデルが主流になってきています。上記の2点を理由にトップ選手には硬い、そして細いモデルが人気があるということですね。長さやバランスが決まったら、振動吸収性能や直径などにも注目すると、道具選びの楽しさも倍増すると思いますので、是非、各スタビライザーのスペックを見比べてみて下さい。
※引用元:World Archery
というわけで、本日はスタビライザーについてご案内させていただきました。次回はVバーを紹介させていただきますので、お楽しみに!
※アーチェリーの道具の選び方には諸説あります。記載内容につきましては参考程度としていただき、先輩アーチャーやご指導者様にご確認いただいてからご選択ください。また、ご不明な点などをメールにてお問い合わせいただけましたらONLINE店より回答をさせていただきますので、ご連絡をいただけましたら幸いです。