~イーストン A/C/Eアローの秘密~
投稿:2022年2月9日こんにちは、渋谷アーチェリー世田谷店です。
イーストンのA/C/Eアローシャフトと言えば、1987年に発売されて以来ベストセラーを続けるリカーブの競技用アローシャフトの定番モデルですが、その高性能の秘密がイーストン独自の「バレルデザイン(樽型)」にあることをご存じでしょうか?普通の競技用アローシャフトはポイント側からノック側まで、まっすぐな形状の「パラレルデザイン」です。
イーストンX7やXX75のようなアルミニウム製のアローシャフトに比べて外径が小さく軽量なので長距離や風の中でのパフォーマンスが優れているカーボンアローなのですが、素材の特性からフィンガーリリースした時にシャフトがきれいにたわみにくいという欠点がありました。アルミニウムに比べると振動の周波数が高いカーボンという素材では、アルミニウムシャフトのような大きく緩やかなたわみ方になりにくいのです。このため当時のオールカーボン製のアローシャフトでは極端に重いポイントを使用するなどして、クリアランスを得るための工夫をしていました。
バレルデザインの謎
A/C/Eはアローシャフトの中心付近が両端に比べて太くなっていて、端に向かって細くなっている「バレルデザイン」で作られた最初の競技用カーボンアローです。そしてポイント側よりもノック側の方が細く軽くなっているためシャフトの質量がポイント側に寄ることで、ノック側の部分がリリース時にしなりやすくなっており、リカーブのフィンガーリリースで射った時にクリアランスが向上しています。
重心がポイント側に寄っていることにより、長距離での安定性や風の中でのパフォーマンスも優れているのです。バレルデザインにすることでコストが高くなるため、A/C/EのEはExpensive(高価な)の「E」などと言う人もいますが、それなりの理由があるのですね。
バレルデザインのアドバンテージとして、ポイント側とノックエンド側の外径が異なるスパインのモデルでも同じであるという点も付け加えておきます。パラレル形状のカーボンアローはスパインによって内径/外径が異なるため、ポイントやピンインサートのバリエーションが多くてわかりにくい場合があります。スパインを変えた時に、それまで使用していたポイントやピンインサートも全部買いなおさなければならないということもあるかもしれません。その点A/C/Eのようなバレルデザインのアルミニウム/カーボンアローでは、ポイントやピンインサートは全スパイン共通のものが使えます。
アルミニウムカーボンのアドバンテージ
A/C/Eはアルミニウムのコアにカーボンを巻き付けた構造になっています。アルミニウムコアを採用することで、オールカーボンに比べてリリース時に適度にしなりやすくなっていることに加えて、カーボンよりもアルミニウムの方が加工精度が高いので、ポイントやノックピンの接着精度と耐久性に優れた構造になっています。
オールカーボンのアローシャフトではシャフトの内径がアルミニウムコアに比べると加工精度が低いくパーツの密着性が低く、またカーボンは熱に弱いため融点が低いホットメルトを使用しなければならないためパーツの接着の精度が問題になることがあります。より確実な接着のため、エポキシ接着剤などの強力な接着剤の仕様を推奨するメーカーが多いのはそのためです。
イーストンではA/C/EやX10のようなハイエンドの競技用カーボンアローシャフトの場合、シャフトの全周方向のスパインの均一性と1本1本のスパインの均一性を保つことを重視しており、カーボンという素材の特性で生じる重量の誤差をウエイトコード(C1、C2などのアルファベットと数字で表されるため「Cコード」とも呼ばれます)というもので管理しており、12本のパッケージ内のシャフトの重量誤差は±0.5グレイン(0.032グラム)に抑えられています。
三つの四角形の謎
A/C/EやX10シャフトのノック側に白い四角形が3つプリントされています。これはイニシャルとナンバーを書き込むためのスペースとして使えます。ナンバーを入れておくと、シャフトの状態を管理しやすいので便利ですね。
アウトドアシーズンに向けてアローをそろえたいと持っているアーチャーのみなさん、イーストンのA/C/Eシャフトを候補に加えてみてはいかがでしょうか。A/C/Eは超軽量のため、ポンドがあまり高くない方でも長距離を射つのに十分なスピードが引き出せます。
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