~シンプルだけど奥が深い、STANのオネックスリリーサー
投稿:2022年3月17日こんにちは。渋谷アーチェリー世田谷店の種部です。
STANのハンドヘルドリリーサーの2022年ラインナップは【オネックスリリーサー】のみという思い切ったラインナップとなっています。メーカーの人曰く、「いろいろなモデルがあってもユーザーが迷うだけだから」とのことです。ただし【オネックス】リリーサーは同じハンドルでサイン・同じサイズでのサムトリガー(親指トリガー)モデル、ヒンジモデル、レジスタンスアクティベートモデルの3種類の作動方式が用意されています。同じデザインの中から自分に合った作動方式のものが選べるということですね。Dループの長さやアンカーの位置を変えることなく、3種類の作動方式の使い分けが可能になるので、リリーサーの切り方をマスターするためにクロスライントレーニング的に作動方式の違うリリーサーで練習できるというのがセールスポイントです。
ハンドルのデザインは人気が高かったSXリリーサーとパーフェックスリリーサーをブレンドしたデザインです。3フィンガーモデルは、3フィンガーなのに小指の置き場があるホエールフィンというデザインが特徴。エイミング中に小指が宙に浮いているとなんだか落ち着かない、という方におすすめです。小指をホエールフィンにかけると、毎回手の形が同じになるという安心感が得られます。
パッケージには2種類の太さのサムポスト、2種類の長さのサムポストのバー、3フィンガーパーツと4フィンガーパーツが同梱されているので、自分のシューティングスタイルに合わせてカスタマイズが可能。3フィンガーパーツと4フィンガーパーツは角度調整が可能なので、ストレートタイプ~スウェプトバックタイプと好みに合わせて調整可能。ハンドルの材質はアルミとヘビーメタル(ブラス)の2種類から選べます。内部パーツには耐摩耗性に優れ、低摩擦係数のDCLコーティングが施されており、切れの良い作動感を長期にわたって保つことが可能となります。サイズはS、M、L、XLの4サイズ展開ですが、STANはアメリカ製には珍しく小さめなので、ほとんどの方はMサイズでだいじょうぶだと思います。手が大きいと思う方(例えばカーターのジャストビーカズがちょうど良いという方)にはLサイズをおすすめします。
STANの看板ともいえる、トリガートラベルをほぼゼロに設定することが可能なダブルシアーシステムを継承。もちろんトリガートラベル(トリガーが切れるまでに動く距離)とトリガーテンションをそれぞれマイクロ調整可能です。個人的にはカーター以外で自分が望むトラベルの少ない状態にセッティングできるリリーサーはSTANしかないと思っていたので、オネックスにも期待しているのですが、内部パーツにDLCコーティングが施されているとのことで、切れの良さにさらに磨きがかかっているのではないかと期待が増しています。
フックにかかる抵抗の強さによって作動する「トゥルーバックテンション」タイプ。使用する弓のホールディングウエイトよりも5ポンド強い抵抗で作動するように設定すると、ホールディングしてロックを解除しドローイングし続けると自然に発射されるというもの。例えばホールディングウエイトが15ポンドの場合は、20ポンドで作動するように設定して使用します。抵抗の設定は6ポンド~38ポンドまで調整可能。
ホールディングしたらサムポストを放してロックを解除して、あとは的を見ながらただ引き続けるだけでリリースすることが可能になります。トリガーコントロールに悩んでいる方におすすめの一品です。
サムポストを抑えるとヒンジがロックされる、ドローイングや引き戻しの最中にハンドルの角度が変わっても発射されることがないドローコントロールシステムを搭載。トリガーレス初心者の方も安心してシューティングできます。STANのドローコントロールシステムの優れている点は、サムポストをロックすると通常のヒンジリリーサーとして使えるところです。ドローコントロールシステムを使って、安全にヒンジリリーサーの使い方をマスターしたら、サムポストをロックして通常のヒンジリリーサーとして使用できるという点です。
オネックスリリーサー各モデル共通の特徴
- 同じハンドルデザインとサイズ(S、M、L、XL)
- ハンドルはアルミニウムのエコグレー、セージ(グリーン)とブラスの3タイプ。
- シアーやトリガーなど内部パーツのコンタクト部分はDLCコーティング。
- トレーナーロック機構標準装備
画期的なトレーニングツール【トレーナーロック】
STANのリリーサーには【トレーナーロック】というフックをロックして発射できなくする機構が標準装備されています。トレーナーロックピンを所定の位置にセットすると、親指トリガーの場合はトリガーを押してシアーが解放されてもフックがロックされていて開かないのでストリング(Dループ)はリリースされません。レジスタンスリリーサー、ヒンジリリーサーの場合もシアーが外れても、フックがロックされていて発射されることはありません。実はかなり前からSTANのトリガーレスリリーサー、サムトリガーリリーサーとレジスタンスリリーサーに標準装備されていた機能です。これまであまり話題になったことがないようですが、個人的にはこれは実はすごく便利な機能で、リリーサーの使い方をマスターする上で効果的なトレーニングを可能にするものだと思います。トレーナーロックを使った練習法についてはまた別の機会に説明します。
再現性の高いリリースをマスターするための、いろいろなアドバンテージがあるSTANのオネックス・リリーサーシリーズ。もうすぐ発売されるようですので、ご予約はお早めに渋谷アーチェリー世田谷店、もしくはONLINE店まで!