~HBTカム or SVXカム、それが問題だ…
投稿:2022年9月18日HOYTの2023年ターゲットコンパウンドボウのフラッグシップモデル、【ストラトス】は定評のあるスパイラル系のSVXカムとHOYTのターゲットモデルでは初のバイナリータイプのHBTカムの2種類のカムがラインナップされています。これまでのHOYTのターゲットコンパウンドの常識としては、競技志向のアーチャーなら迷わずSVXカムでしたが、【ストラトス】に関してはマイク・シュルッサー選手を除くHOYTのプロシューターの多くがHBTカムを選択しているという情報もあるので、迷っている方も多いのでは。
スピードについて
これまでのモデルでいうとスピードのスパイラル系(SVX、スパイラルプロ、etc)と引きやすさのソフト系(DCX、X3、etc)というイメージでしたが、2023年モデルのカムはどうでしょう。カタログデータげは、【ストラトス40】で比較するとSVXカムモデルが327FPS、HBTカムモデルが318FPSとスピードとやはりSVXが速いですね。ジェシー・ブロードウォーター選手がSNSにインヴィクタと【ストラトス】の初速比較の投稿をしていましたが、インヴィクタ40SVXと【ストラトス40HBT】、【ストラトス36HB】は初速が同じで、【ストラトス40SVX】が数フィートだけ速かったという結果でした。【ストラトス】ではこれまでのターゲットモデルよりリムが短くなりジェオメトリーも変わっていること、ローラーケーブルガードの採用により、エネルギー効率が向上しているということかもしれません。ジェシー・ブロードウォーター選手はターゲットでは【ストラトス36HB】を使用するようですね。
ウォールのフィーリングが重要
SVXカムのようなカムを支持するトップアーチャー達は、実はスピードが速いから選んでいるわけではなく、SVXカムがウォールでしっかり止まる感覚を重視しているのです。ウォールがはっきりしていてカムが戻ろうとする力に対してしっかり張りを持って支えることが求められるカムの方が、自分がちゃんと引けているかどうか教えてくれるのでフォームの再現性が自然に高くなるというのが、スパイラル系のカムを選択するポイントと言えます。スパイラル系のようなハードなカムをラインナップしていないメーカーの弓を使う(スポンサーされている)トップアーチャーは、ドローストップをカスタマイズしたりストリングとケーブルの太さの比率を変えたりしてレットオフ率を下げて(=ホールディングウエイトを上げて)張りのあるホールディングができるようにしているのを見たことがあります。
HBTカムは、従来のソフト系のカムよりはウォールの感覚はソリッドなものになっているとのことです。そしてモッドフットというケーブルに当たるパーツのポジションとセットする向きを変えることによって、ウォールの感覚を細かくカスタマイズすることができるようになっているので、ハード系を好むトップアーチャーの中にスパイラル系から乗り換えるアーチャーが出てきた所以かもしれません。
キーワードはカスタマイズ
自分の射ち方に合わせて細かくカスタマイズできるというのがHBTカムのセールスポイントです。HBTカムは引き尺調整がインナーカムモジュール回転方式なので、特別な工具なしでレンチで簡単に1/4インチ(約6ミリ)単位で調整が可能になっています。【ストラトス】ではグリップモジュールによる引き尺調整機能と合わせると、1/8インチ(約3ミリ)単位での微調整が可能になります。さらにモッドフットというインナーカムモジュールに取り付けられたパーツにより、レットオフ率とウォールの感覚が調節可能になっています。
従来はカムの引き尺設定は1/2単位が一般的で、引き尺を微調整するにはケーブルやストリングのツイストを変えて調整するしかありませんでした。ケーブルやストリングで調整する場合はボウプレスが必要となり、しかも引き尺だけでなく、ピークウエイトやレットオフ率も変化するので、リムボルトも調節する必要が出てくるなど調整が面倒です。また、弓の設計者からすると、ケーブルやストリングをいじると本来の設計から外れてしまうので、スピードが落ちるなど弓のパフォーマンスの低下につながるのでやってほしくないという思いもあるようです。HBTカムならこのジレンマを解決してくれることでしょう。
HBTカムの調整機能
●引き尺調整:1/4インチ単位で可能
●引き尺調整範囲:サイズ#1(3‐3/4インチ) サイズ#2(2‐3/4インチ)
●レットオフ率:65%、70%、75%の三段階に調節可能
●ウォール:ハード、ソフト切り替え可能
ドローイングのフィーリング
ウォールの感覚とともに重要なのがドローイングのフィーリングですね。引き始め・ピーク付近・ピークを越えた後の3つのフェーズに分けて見てみると、「引きやすい」か「引きにくい」という区別がしやすいと思います。無理なく再現性の高いドローイングをしたいと思うなら、引き始めのカムの動き出しがスムーズなカムがおすすめです。レットオフ率が高すぎると、ピークを越えたとたんに抵抗がなくなってガクッとなり、押手や引き手がぶれることがあります。HBTカムがどいうフィーリングなのかはわかりませんが、ハンティングモデルで定評のあるHBXカムを元に開発されているということを考えると、引き始めはやや硬めで、その分ピークを越えてカムが回り切るまでがスムーズなのではないかと推測されるのですが、こればかりは実際に引いてみないとわからないですね。もうすぐ【ストラトス】のHBTカムモデルが入荷しするので、スタッフの実射レポートがアップできると思います。
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