~ベガスシュート2023チャンピオン、クリス・シャフ選手はX10を使用。

投稿:2023年3月10日

先日イーストン ターゲットアーチェリー ポッドキャストでベガスシュートチャンピオン、クリス・シャフ選手が日本でもおなじみのジョージ・テクミチョフ氏にインタビューを受けていました。チューニングやリリーサーの切り方についてもコメントしていたので要約をアップします。

2023年ベガスシュート コンパウンドオープンプロ チャンピオのンクリス・シャフ選手

ベガスシュートは世界最大級のアーチェリーイベントで、アメリカでは「アーチェリー界のスーパーボウル」とも言われています。コンパウンドのチャンピオンシップ部門の優勝賞金は何と57,000ドル(約776万円)で、アーチェリー競技では最も高額。アメリカだけでなく世界中のトップアーチャーが集うコンパウンドの世界一決定戦と言えます。

インドアではアルミ矢を使用
ベガスシュートはNFAAというアメリカ独自のアーチェリー協会のルールで行われるため、アローシャフトの口径は11ミリまで使用可能なので、クリス・シャフ選手はイーストンのアルミニウムアロー【X27】を29.5インチにカットし使用しているとのこと。ポイントは250グレイン、ベインはTACドライバーベインの3.75インチを使用。ベガスシュートと平行してWAのワールドインドアのファイナルも行われているのですが、WAルールでは最大口径は9.3ミリ以下なので、クリス・シャフ選手は【X23】の2318を29インチにカットして225グレインのポイントを入れた矢にスイッチしています。弓は同じ弓でレストを交換して対応しています。シャフ選手が使用しているのはレストの上下・左右調整ユニットが簡単に着脱できるスポットホッグの【エッジSWAPレスト】で、それぞれの矢に合わせたチューキング済みのユニットを用意しておいて、試合に合わせて交換して使用することが出来ます。ユニットを交換しても同じチューニング、サイト設定が再現されるので、全く問題なかったとコメントしていました。

最高の精度と均一性を誇るイーストンのアルミニウムアロー

アウトドアはX10
アウトドアではイーストンの【X10】をノック側から3インチカットして使用しているとのこと。3インチもカットするとノック側の細くなっていくテーパーの部分がほとんどカットされてしまうので、フロントテーパーデザインの【X10プロツアー】と同じような形状になりますね。レオ・ワイルド選手やマイク・シュルッサー選手、ステファン・ハンセン選手などもX10をノック側からカットして使用していますが、プロツアーではなく【X10】のノック側カットを使用するのは何故なんでしょうね。以前レオ・ワイルド選手にどうして【X10プロツアー】ではなく【X10】を使っているのか聞いた時には、【X10プロツアー】が出る前から【X10】をノック側からカットして使っていてうまくいっているのでそのまま使い続けていると言っていました。

リカーブ専用に開発された樽型形状のX10シャフト
コンパウンド専用フロントテーパーデザインのX10プロツアー

ベアシャフトチューニング
インドアでもアウトドアでもベアシャフトを射ってチューニングを行っていて、インドアでは18メートルで羽根付きの矢が10点(インナーテン)に刺さったら、ベアシャフトは6時のアウターテンに刺さるようセッティングしています。ノッキングポイントガ少し高めになり、ベインがランチャーブレードをクリアしやすくなるとのこと。アウトドアでは50mでベアシャフトが6時の9点に刺さるようセッティングしているそうです。やはりノッキングポイントガ少し高めの設定ですね。

リリーサーの切り方
クリス・シャフ選手はトリガーレスリリーサーを使用しています。ポッドキャストの中ではモデル名に触れていませんでしたが、TRUボールの【HBCフレックス】というモデルを使用しているようです。リリーサーを回転させて切っているそうですが、実際に射っている時はエイミング中はウォールに当たった状態で張りを保っていたら自然にリリーサーが切れるという感覚で、リリーサーが回っていることは意識していないとのこと。ただ、風が吹いている時やプレッシャーがかかってなかなか切れない時など状況に応じて、(ブレイデン・ギャレンティン選手のように)意識的にリリーサーを回すことがあるそうです。

ドミネーターDUO
クリス・シャフ選手が使用する弓はPSEの2023年モデル【ドミネーターDUO38】です。インタビュー中では触れられていませんでしたが、カムはスピード系のM2カムをチョイスしているようです。今年のインドアシーズンからPSEに移籍して【ドミネーターDUO38】を使い始めたばかりのクリス・シャフ選手ですが、WAのインドアシリーズのニーム大会優勝、ベガスシュート優勝に続き全米インドア選手権の予選ラウンドで18メートルWラウンドで1200点満点中1199点の全米記録を樹立するなど

PSEドミネーターDUO38M2

アウトドアでは同じくPSEの2023年モデルでスピード系の【シュートダウンプロ】を試そうと思っているとコメントしていました。シャフ選手は独特のアンカースタイルのためピープハイトがとても低く、従ってサイトをかなり低い位置で使うことになります。そのため70~90メートルを射つことがあるNFAAのアウトドア競技では、長距離のサイトをカバーするためスピードが必要なのだそうです。ただ、【ドミネーターDUO38】を非常に気に入っているので、どちらで行くかいろいろ試してみるそうです。

PSEシュートダウンPRO

アウトドアシーズンと言えば世田谷店では【アウトドア応援キャンペーン】開催中です。クリス・シャフ選手も使用するイーストンX10など、アウトドア用の競技用カーボン矢がお求めやすくなっています。3月12日(日曜日)までなのでお早めに!

イーストン ターゲットアーチェリー ポッドキャストはクリス・シャフ選手のようなトップシューターのチューニング方法や使用弓具に関する話、試合の感想などが聞けてなかなか興味深いのでお勧めです。