~ミスターパーフェクト、マイク・シュルッサー選手のコンパウンドチューニング(イーストン ターゲットアーチェリーポッドキャスト シリーズ)
投稿:2023年3月31日今回は【イーストン ターゲットアーチェリーポッドキャスト】のマイク・シュルッサー選手へのインタビューの中からコンパウンドチューニングに関する部分を抜粋してお送りします。台湾で行われたインドアワールドシリーズ第1節、台湾アーチェリーオープンの大会中に収録されたものですが、同大会でマイク・シュルッサー選手はミスターパーフェクトの名の通り、予選をパーフェクトの600点で1位通過しています。そして、トーナメントでも4試合でわずか5失点で優勝と大活躍でした。
SVXカムを選んだ理由
HOYTのニューモデル 【ストラトス40】を使用ていますが、試合が続いていたので新しく出たHBTカムを試す時間がなかったというのもあって、スパイラルカム(SVXカム)から変えないことにしました。スパイラル系のカムはC2カム以前の初期のスパイラルカムの時代から使い始めて、C2カムを挟んでずっとスパイラル系のカムを使ってきたので、どうセッティングして射てば良いのかわかっているので安心です。
ストラトスのスタビライザーセッティング
プリヴェイル、インヴィクタと同じようなデザインのモデルを使っていたので、ストラトスも大きな違いはないと思ってセッティングを変えないで射ち始めました。数日かけて射ちこんでいくとエイミング中に上下の動きが出るのが気になったので、最初はカムタイミングかなと思ってチェックしてみました。上下の動きはまずカムタイミングを疑ってみますね。他にも引き尺なんかもチェックしてみましたが問題ありませんでした。それでセンタースタビライザーにウエイトを1オンス足してみたら、上下の動きがゆっくりになり、かつ小さくなりました。もう1オンス足して試して良かったので、結局2オンスセンターロッドに足して使っています。
センター側に2オンス足す代わりにカウンターロッドのウエイトを2オンス減らしても同じ効果があるかというと、違うと思います。私にとっては、カウンターのウエイトは「ディップバン」を防ぐために必要な重さです。弓が上下に動くのと、ディッピングでは対応が異なります。上下に動く場合は、センターロッドにウエイトを足したり引いたりして調整しますが、ディップバンを防ぐためにはカウンターのウエイトが必要なのです。
ジョージ・テクミチョフ氏の解説
マイク・シュルッサー選手の言う上下の動きというのは、アーチャーの手の中で弓が上を向いたり下を向いたりするということです。これに対して「ディッピング」というのは押手全体が下に落ちる現象です。「ディップバン」というのは下がった瞬間に射ってしまうことを言います。
レストのセッティング
(インヴィクタから)大きく変えたところはありません。下のノッキングポイントの上側がプランジャーホール(レスト取り付け用のネジ穴)の3/4の高さに来るようにノッキングポイントを取り付けている。ノッキングポイントの位置の決め方は、少しずつ高さを変えて弓のリアクションをみて、エイミングが最も安定する高さに会わせています。プランジャーホールの中心からスタートして、ノッキングポイントの高さを上げたり下げたりして、自然にエイミングが安定する位置を探すのですが、いつもスタビライザーを外した状態で弓自体の本来の動きを見て行います。
カムの調整
上下のカムのタイミングはイーブン(同時にケーブルに当たる)にしています。スタビライザーをつけない状態では上のカムが少し早い状態ですが、スタビライザーをつけると同じタイミングになっています。
私はあらかじめカムを少しだけケーブルガード側(的に向かって右側)に傾けているので、レストがかなり左に出ています。レストを弓の中心に合わせてカムの傾きで調整する方法もありますが、私はカムの傾きに合わせてレストの左右を調整しています。私の場合、カムをケーブルガード側に傾けた方がフルドローした時にしっくりくる感じがします。インナーカムモジュールがケーブルにはまって、エイミング中の弓の動きが小さくなるのです。私はフルドローした時にインナーカムモジュールの溝がケーブルにしっかりはまることを重視しています。下のカムはシムを入れ換えて、上のカムは左右のヨークのテンションを変えてカムの傾きを調整しています。
私がシューティングスタイルの中で重視しているのは、エイミングの部分です。特にインドアでは風の影響がないので矢飛びを気にしなくて良いので、エイミング時の安定感が最も重要です。
【イーストン ターゲットアーチェリー ポッドキャスト】から、ミスターパーフェクト、マイク・シュルッサー選手のコンパウンドチューニングでした。コンパウンドに限ったことではありませんが、トップアーチャーがやっているからと言って、単純にチューニングや弓具のセッティングをまねすることはお勧めできません。自分のシューティングスタイルに合ったセッティング、チューニングをする必要があります。弓具のチューニングでお悩みの方は渋谷アーチェリー世田谷店へ!経験豊富なスタッフがシューティングスタイルに合わせたチューニングを提案いたします。ご来店予約はこちらのリンクから↓
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