～究極の競技用カーボンアロー、イーストンX10～
投稿：2022年2月13日こんにちは、渋谷アーチェリー世田谷店です。
今回ご紹介するのは究極の競技用カーボンアローX10です。発売は26年前なので超ロングセラーモデルで目新しさはないかもしれませんが、開発に携わったイーストンのエンジニアに「Ｘ10を超える矢は近い将来に出ることはない」と今もって言わしめるハイパフォーマンス・アローなのです。
X10は初登場の1996年アトランタオリンピックでゴールドメダルを獲得。以来、2000年シドニーから2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロそして昨年の東京大会まで全ての大会でゴールドメダルを独占しており、そのパフォーマンスの高さは実証済みです。
X10のアドバンテージ～シャフトの細さ
A/C/Eで定評のあった「バレルデザイン」をベースに「リカーブの70m競技で勝つ＝オリンピックでメダルを取る」ことを目的に開発されたというだけあって、長距離で圧倒的なパフォーマンスを発揮しますが、その秘密はシャフトの細さにあります。シャフトが細いことによって表面積が小さく、全長方向で見た時の断面積も小さいので、特に長距離で最も風の影響を受けにくいシャフトなのです。
X10のアドバンテージ～三つの異なるスパインゾーン
X10はポイント側・中間・ノック側で硬さが異なる設計になっています。シャフトの後端（ノック側）が軟らかく、特に質量が軽くなっているという点が、リカーブのフィンガーリリースの場合に大きなアドバンテージになっていて、パラレル形状でノック側が固く、重いシャフトに比べるとクリアランスを得やすく、リリースの誤差を拾いにくくなる効果が高くなっています。
X10のアドバンテージ～バリスティック・コエフィシェンシー
バリスティック・コエフィシェンシーとは聞きなれない言葉ですが、日本語では「弾道係数」と言います。弾道係数と言われても、ますます意味がわかりませんが、弾丸や砲弾のように自力で推進力を作り出さない飛翔体が空気抵抗に打ち勝つ能力を表す係数のことです。バリスティック・コエフィシェンシーが高いものほど、長い距離飛んだ時により多くのエネルギーが残っている（スピードが落ちない）と言えます。
下の動画を見ていただくとよくわかると思いますが、弓から射ち出された矢は放物線を描いて的まで飛んでいきます。放物線の頂点を超えて的に向かって下降していく時に、どれだけ矢にエネルギーが残っているかで外的要因（アーチェリーでは主に風ですね）に影響されやすいかどうかが決まります。
バリスティック・コエフィシェンシーは飛翔体の質量・直径・形状などによって異なります。X10は、単に適度なシャフト重量があり外径が細いというだけでなくイーストン独自の形状＝バレルデザインのおかげで、パラレルデザインの同等のサイズ・同等の質量のアローシャフトよりも優れたバリスティック・コエフィシェンシーを誇ります。X10は長距離で最も失速しにくく、風に流されにくいアローシャフトと言えるでしょう。
X10のアドバンテージ～耐久性の高さ
カーボンアローは自転車のカーボンフレームと同様、通常使用時の耐久性は高い一方で想定外の衝撃を受けると破損する可能性があります。自転車の場合、転倒したり、何かにぶつかったりして破損することがるように、矢も固いものにあたったり、矢同士が的上で接触したりすることでダメージを受けることがあります。X10は超極細のアルミニウムコアにカーボンを巻き付けた構造で、下の写真の通りカーボンの層がA/C/Eシャフトなど多くのオールカーボンアローよりも厚いので、通常使用時の耐久性が高いのはもちろん、外的なダメージに対しても強度が高くなっています。
また、X10は高精度のアルミニウムコアを採用しているおかげで、ポイントやピンインサートは全スパイン共通のパーツが使用でき、パーツのシャフトへの取り付けの際には高い精度で確実に接着することが可能です。
X10の弱点
非常に優れたX10にも弱点はあります。それは値段が高いことです。極細のバレルデザインで均一性の高いアローシャフトを作製するには、どうしてもコストが高くなってしまうのです。そんなX10ですが、【渋谷アーチェリー世田谷店】では2月27日まで完成矢セール開催中です。
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